「タイヤが小さい」という共通点のみでカテゴライズされる「小径車」。速さを追求するロードバイク、未舗装路に特化したマウンテンバイクなどと違い、その用途はモデルによって実にさまざまです。そこで、タイプの異なる3人のライダーが実際に試乗。体格や志向の違いも、愛車選びの参考になるはずです。
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ファイブリンクス ファイブリンクス2 161
輪行もラクラクのシングルスピードモデル
リンク部分がスライドする独自の折りたたみ機構はそのままに、シンプルさを追求したファイブリンクス。気軽に乗れるシングルスピード仕様で、重量も持ち運びやすい9.3kg。
公共交通機関を活用し、輪行を日常にするというコンセプトから考案されたモデルだ。アイボリーの車体に付属する4色のステッカーで、さりげなく個性を主張できる遊び心も。
重量:9.3kg(スタンド除く)
フレーム素材:アルミ
タイヤサイズ:16×1.25
変速:1×1speed
フロント歯数:53T
リア歯数:16T
ホイールベース(実測値):895mm
価格:7万8000円(税別)
問:ファイブリンクス
http://5links.jp/
試乗したのはこちらの3人
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
身長:182cm
股下:87cm
腕の長さ:76cm
公私ともにミニベロに親しむ、神奈川県横浜市にある小径車専門店の店長。プロならではの視点で各車をチェックする。最近ハマっているものは自重トレーニングとコンビニのサラダチキン。
中:編集 トライジェットさん
身長:173cm
股下:80cm
腕の長さ:72cm
姉妹誌『自転車日和』&『MTB日和』では車体のほか、周辺アイテムのインプレッションも担当。最近ハマっているのは「カーボンプレート入りシューズ」で、ランニング用もMTB用もすでに入手済み。
小:石井 美穂さん
身長:153.5cm
股下:72cm
腕の長さ:64cm
ロードバイクからMTBまで、身長に対して大きめのモデルも乗りこなす。自転車愛あふれるレビューは女性や小柄な人も必読! 最近ハマっているのはスパイスカレー作りと、新たに迎えた7歳の中年猫。
乗車ポジションチェック
シティサイクルのようなポジション設計。153cmでも「シート高を合わせると、ハンドルの高さはもう少し下げたいと思う」とのこと。180cm台になると見た目にももう少し余裕がほしいところ。
IMPRESSION
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
ヘッド周辺の独特なリンク構造の影響か、ハンドリングには少しクセを感じますが、アップライトな乗車姿勢とシングルギアの仕様からもわかる通り、トルクをかけて踏み込むモデルではありません。
一般車のように力を抜けば、安心して軽快な走行を楽しめます。
縦に折りたたむシステムで保管場所も狭く済み、持ち上げずにそのまま転がして移動できる点も◎。人とは違う自転車で、ゆったりシティライドを楽しみたい方に!
中:編集 トライジェット
乗車ポジションがロードバイクよりもママチャリに近い感じなので、初めてスポーツバイクを手にする人でも、不安感なく走り出せるでしょう。
ハンドリングに微妙なクセがありますが、設計自体がサドルの上にドカッと体をあずけて走るイメージなので、意識的にハンドルに加重するような乗り方でもしなければノー問題。
フレンドリーなルックス&ユニークな折りたたみ機構を含め、個人的にはかなり好みのバイクです。
小:石井美穂さん
乗車姿勢には安心感がありますが、幅が狭いハンドルのほぼ真下にホイールがあり、ハンドリングはクイックな印象。
踏み始めは少し重めに感じるものの、平坦路でスピードが乗ってくると気持ちよくこげます。登り坂などはあまり頑張らずゆっくりと。
折りたたむとスタンドがいい仕事をして、安定感も◎。
若草色を混ぜたようなクリーム色のフレームもかわいいんですよ。このスタイルを愛せる人に乗ってもらいたいな。
文:鈴木絢子 写真:奥村純一、村瀬達矢
※『折りたたみ自転車&スモールバイクカタログ2020』(2020年3月発売)より抜粋
2021版は3月31日発売です!