写真と文:星野哲哉
さまざまな自転車誌を発行している【自転車日和】編集部ですが、弊社には自転車とは全然違う編集部に在籍していながら、編集部員以上に(!?)、自転車生活にどっぷりのスーパー社員がおりました! 日々、編集業務をこなしながら、休みの日には自転車ライフを濃密に楽しむ。リアルなレポートをお届けします。
今回行ってきたのはココ! !
[開催日]
2014年6月15日(日曜日)
[コース]
Aコース:120km
Bコース:90km
新潟県のほぼ中央に位置する魚沼市で行われるロングライドイベント。スタートしてから、道光高原→星の家→浅草大橋と、3つの高原を乗り越える約120kmコースの他に、途中、星の家をショートカットする約90kmの初心者向けコースもある。
チャリ馬鹿サラリーマンが
日本一の米どころを駆け巡る
「今年は佐渡とハルヒルは同じ日か……」「今年こそは乗鞍へ行くぞ!」「赤城山のエントリーは明日だったっけ?」なんてことを、暇さえあれば考えている私の元へ【自転車日和】編集部から企画の依頼が!
同じ会社ではあるものの、自転車とはまったく無縁の編集部で働いている私だが、週末になるとヒルクライムやらロングライドやらと自転車にかまけているという噂(?)が流れつき、白羽の矢が立ったようだ。
今回はいきなりの出来事だったので、いちばん最近、6月15日に参加した「ロングライド魚沼」の記憶を引っ張り出した。
今年で3回目になるこのイベントは、走行距離約110km、獲得標高1800m以上。ヒルクライム要素も要求され、ロングライドというよりはグランフォンドに近い。
コースの特徴は、大きく分けて3つある山。その内のひとつにスキー場を使用しているというのが豪雪地帯らしい。
こんなコースを、速い人だと4時間ほどで走ってしまうというから驚きだ。
前日受付を済ませ、現地の温泉旅館で1泊。さすが米どころ魚沼。米だけでなく酒も美味い。存分に堪能したいところだが、翌朝の集合時刻は6時なので、あまり深酒をせず早めに就寝することにする。
スタート地点ユピオから小出市街地までは、下り基調なコース。20kmぐらい走り市街地を抜けると、最初の山、道光高原への入り口だ。
コース図を見ると小さく見えるこの山。大したことないかと思いきや、とんでもない。最初の坂でいきなりガツンとやられ、一気にスピードが落ちる。その後も8%程度の勾配の坂が続き、やっとのことで最初のエイドステーションに到着。
この日は天気が良く暑かったため、水の消費が速い。すぐさま空のボトルに水をつめ込む。自転車乗りにとって
は、太陽が出ているよりも正直曇りのほうがありがたい。
2番目のエイドステーションは、星の家。名前の通り高いところにあるが、それもそのはず、冬の間はスキー場のリフト降り場になっている。
普通は上から滑り降りるところを下から登るなんて、自転車乗りはマゾが多い(笑)。その次のエイドステーショ
ン浅草大橋までは、日本有数の豪雪地帯らしく、スノーシェイドが連なる道を登る。
ここで、おにぎりと豚汁をいただいたら、今まで登ってきた道を下り、一路ゴールを目指す。同じ道を通っているのに、木々の緑や川の流れがまったく異なる雰囲気を持っているように感じるから不思議だ。
そして最後のエイドステーションを過ぎ、残り約10km。ゴール近くということで、緩んだ気持ちに活を入れるような登り坂が続く。なんとか最後の力を振り絞った先には、待ち望んだゴール地点-ユピオ。「お疲れ様でした」
と完走証が手渡された。
温泉で疲れを癒やし、帰路につく。家までの道中、思い出されるのは地元の人達のことだった。ちびっ子から年配の方まで、所々で暖かい声援をかけてくれた。疲れているときには本当にありがたい。最後の力が出てくる。この人達に会いに、また来年も行こう!
Profile 星野哲哉
『自転車日和』vol.33より抜粋