身長別　小径車試乗インプレッション（2021）Part.1

※『折りたたみ自転車&スモールバイクカタログ2021』（2021年3月発売）より抜粋
2022版は3月31日発売予定です！

 
定番の折りたたみ自転車から、人と差がつくコアなスモールバイクまで。2021 年モデルのバラエティー豊かな8モデルを一堂に集めました！身長だけでなく、乗り方やライフスタイルの志向も自転車選びの大切なポイントです。タイプの異なる3人のライダーのインプレッションを愛車決定の参考にしてみてください。

BROMPTON S2L

ブロンプトン　S2L

 
至高の “まとまり感”！ 小柄な人にもマッチ
今回試乗したのは、スポーティーな姿勢が取れるフラット形状のSハンドルがセットされた外装2段変速モデル。ブレーキレバーの角度、硬めのリアサスペンションなど、デフォルトではイギリス生まれらしい英国紳士向けの仕様だが、純正パーツの展開も豊富で、ちょっとした調整やカスタムにより幅広い体格にアジャストできる。人気ブランドらしい風格も加点要素に。
 

 
価格：21万4500円（税別）
問：ミズタニ自転車　https://bromptonbicycle.jp/

試乗したのはこちらの3人

大：サイクルハウスしぶや 高橋 航さん

身長：181cm
股下：84cm
腕の長さ：74cm

東京・葛飾区にある小径車専門店のスタッフ。スケートボードやBMXにも親しむ穏やかなストリート系。コロナ禍のリラックス法はYouTube番組「ザ・きんにくTV」を見ながら
のストレッチとのこと。

中：編集 トライジェットさん

身長：173cm
股下：80cm
腕の長さ：72cm

姉妹誌『自転車日和』＆『MTB日和』では車体のほか、周辺アイテムのインプレッションも担当。コロナ禍、メインの通勤号を700Cのクロスバイクから16インチの小径車にチェンジ。おじいさん化が加速中。

小：石井 美穂さん

身長：153.5cm
股下：72cm
腕の長さ：64cm

車種問わず乗りこなすベテランだが、小柄な人や初心者にも寄り添うレビューは初心者も参考になるはず。最近はコロナ禍で時間の余裕が生まれ、横浜市で週末のみのカレーショップをオープンした。

乗車ポジションチェック

 
コンパクトになる折りたたみ自転車だが、180cmを越える身長でも余裕を感じる。気をつけたいのはブレーキレバーの角度だが、手が小さい人でも握りやすいように調整すれば問題はなさそうだ。

IMPRESSION

大：サイクルハウスしぶや 高橋 航さん

私の体格ではシートポストを上げ切ることはなく、わずかですが余裕が残りました。サドルとハンドルに距離があるS モデルは懐に余裕が生まれ、ゆったりと走ることができます。前傾姿勢で高速巡行を追求したい人は、ステムが短くハンドル取り付け位置が下がるM モデルをフラットバーにカスタムしてもいいかも。走行感は質実剛健。ブランドに恥じない「折りたためる実用車」の剛性が、立ちこぎによる入力を確実に推進力に変えてくれます。

中：編集 トライジェット

乗り味の好みは別として、折りたたみ自転車としての完成度はピカイチです。折りたたんだときのコンパクトさ＆カッチリ感において、ブロンプトンを超えるモデルは今後も現れないのでは？　上体の前傾が深くなるS ハンドル車は前輪への加重感覚も掴みやすく、コンフォートな印象の見た目に反して、力強くペダルを踏み込んで走れました。フレームはMハンドル車と同様なので、アップライトなその姿勢に慣れている人はハンドル操作に注意が必要です。

小：石井美穂さん

手が小さいので、ブレーキレバーの遠さをネックに感じていたブロンプトン。今回は折りたたみに干渉しない限界までレバーの角度を起こすことで、快適に操作することができました。購入の際はぜひショップで体格に合わせた調整の相談を。たたむお作法もやさしく、「おすわり」の佇まいもかわいい。ギアは女性には少し重めで、登り坂ではちょっとがんばる必要があるかも。でも、無理せず押してもいいんじゃないかな、と思えるスタイルです。

 
文：鈴木絢子　写真：奥村純一、村瀬達矢