「タイヤが小さい」という共通点のみでカテゴライズされる「小径車」。速さを追求するロードバイク、未舗装路に特化したマウンテンバイクなどと違い、その用途はモデルによって実にさまざまです。そこで、タイプの異なる3人のライダーが実際に試乗。体格や志向の違いも、愛車選びの参考になるはずです。
RENAULT PLATINUM MACH9
ルノー プラチナマッハ 9
18段変速のメタリックなスポーツミニベロ
アルミ製の軽量フレームに、シマノ・ソラの18段変速と451サイズのホイールをセット。ワイドレンジギアと大径ホイールの組み合わせで、ポタリングから登坂まで幅広いシチュエーションに対応する。
ハンドルステムは工具不要で高さがで変えられるので、シーンに合わせたポジション調整もラクラク。スタンド付きで自立させやすいところもうれしいポイント。
フレーム素材:アルミ
タイヤサイズ:20×1-1/8
変速:2×9speed
フロント歯数:53/39T
リア歯数:11-32T
ホイールベース(実測値):1015mm
重量:約9.4kg( ペダル・スタンド除く)
価格:9万8000円(税別)
問:ジック
http://www.gic-bike.com/renault/
試乗したのはこちらの3人
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
身長:182cm
股下:87cm
腕の長さ:76cm
公私ともにミニベロに親しむ、神奈川県横浜市にある小径車専門店の店長。プロならではの視点で各車をチェックする。最近ハマっているものは自重トレーニングとコンビニのサラダチキン。
中:編集 トライジェットさん
身長:173cm
股下:80cm
腕の長さ:72cm
姉妹誌『自転車日和』&『MTB日和』では車体のほか、周辺アイテムのインプレッションも担当。最近ハマっているのは「カーボンプレート入りシューズ」で、ランニング用もMTB用もすでに入手済み。
小:石井 美穂さん
身長:153.5cm
股下:72cm
腕の長さ:64cm
ロードバイクからMTBまで、身長に対して大きめのモデルも乗りこなす。自転車愛あふれるレビューは女性や小柄な人も必読! 最近ハマっているのはスパイスカレー作りと、新たに迎えた7歳の中年猫。
乗車ポジションチェック
長身のライダーではややハンドルとの距離が近めで、ハンドル幅も狭く感じる。もっとも快適に乗れる身長は160 ~ 170cm辺りか。小柄な人でも適度な前傾のスポーティなポジションで乗ることができた。
IMPRESSION
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
シルバーにゴールドをあしらったカラーリングは高級感があります! 街乗りに適した視野の広い乗車姿勢ながら、軽量でクランク周りの剛性が高く、踏み込んだ分しっかりと加速してくれます。
ホイールの回転性もよく、こぎだしの軽さは爽快。スピードを上げてどんどん走りたくなってきます。
ハンドル幅がやや狭いこと、段差などでの突き上げが少し気になりましたが、カスタムで対応すればさらに快適に走れると思います。
中:編集 トライジェット
スポーツバイクを1台だけ所有するのであれば本モデルは推しの1台です。
折りたたみ車らしからぬカッチリ感のある乗り味ゆえ、路面状況の悪い場所では多少硬さを感じる場面もありましたが、軽快さ、巡航性、携行性ほか、どこをとっても優等生。
個人的な好みとしては、もう少し上傾姿勢でキメたいところですが、身長160~170cmの人とのマッチングはよさそう。キラキラのルックスもバリューを高めてくれています。
小:石井美穂さん
自然光の下で見るとわずかにパープルが混ざったような、上品な色味です。
最近ではちょっと珍しくなった細身のタイヤが「軽く張りのある走り」を生んでいるようです。リアは32Tまであるので、女性の脚力でもたいていのところは余裕でしょう。
登り坂で踏み込んでも姿勢が安定するのは長いホイールベースのおかげですね。もう少し幅広のハンドルに交換して安定感が増せば、もっとスピードを出したいと思えるかも!
文:鈴木絢子 写真:奥村純一、村瀬達矢
※『折りたたみ自転車&スモールバイクカタログ2020』(2020年3月発売)より抜粋
2021版は3月31日発売です!