身長別 小径車試乗インプレッション(2020)Part.7

「タイヤが小さい」という共通点のみでカテゴライズされる「小径車」。速さを追求するロードバイク、未舗装路に特化したマウンテンバイクなどと違い、その用途はモデルによって実にさまざまです。そこで、タイプの異なる3人のライダーが実際に試乗。体格や志向の違いも、愛車選びの参考になるはずです。

Pacific cycles birdy R

パシフィックサイクルズ バーディー R


シリーズ最速を誇る「18インチロード」

スッと立ち上がったステムがスポーティな前傾姿勢を作るバーディーRは、オンロードでの高速走行を叶えるフラッグシップモデル。

11段変速仕様のシマノ・105を採用したほか、18インチの足まわりには、回転性能に優れるハブとディープリムホイール、転がりとグリップ性を兼ね備えたタイヤをセット。

そのハイグレードなパーツ構成から、走りへの本気がうかがえる。

フレーム素材:アルミ
タイヤサイズ:18v1.25
変速:1×11speed
フロント歯数:52T
リア歯数:11-28T
ホイールベース(実測値):1015mm
重量:10.2kg

価格:32万8000円(税別)
問:パシフィックサイクルズジャパン
http://pacific-cycles-japan.com/

 

試乗したのはこちらの3人

グリーンサイクルステーション Say-Gさん

身長:182cm
股下:87cm
腕の長さ:76cm

公私ともにミニベロに親しむ、神奈川県横浜市にある小径車専門店の店長。プロならではの視点で各車をチェックする。最近ハマっているものは自重トレーニングとコンビニのサラダチキン。
 

編集 トライジェットさん

身長:173cm
股下:80cm
腕の長さ:72cm

姉妹誌『自転車日和』&『MTB日和』では車体のほか、周辺アイテムのインプレッションも担当。最近ハマっているのは「カーボンプレート入りシューズ」で、ランニング用もMTB用もすでに入手済み。
 

石井 美穂さん

身長:153.5cm
股下:72cm
腕の長さ:64cm

ロードバイクからMTBまで、身長に対して大きめのモデルも乗りこなす。自転車愛あふれるレビューは女性や小柄な人も必読! 最近ハマっているのはスパイスカレー作りと、新たに迎えた7歳の中年猫。
 

乗車ポジションチェック



ハンドル高と前後突き出し量が変更できることもあり、全員が無理のない乗車姿勢に。150cm台では若干ハンドルが遠く、180cm台では近く感じるものの、アップライトなのでどちらも気になるほどではない。

 

IMPRESSION

大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん

メインフレームを折らない構造も手伝って、剛性は申し分ありません。前後サスがアスファルトの路面ギャップを程よく抑えてくれるストレスのない走行感。

これで折りたたみ車なのかと改めて驚かされます。簡単にコンパクトにでき、ディスクブレーキ、アジャストステム、前後サスを装備して重量は10kg前半。

フォールディングバイクとしてのトータルバランスが非常に高い! 折りたたみ車を考えるなら間違いのない1台です。

中:編集 トライジェット

まさしくパーフェクトハーモニー。お値段もルックスに負けじとカッコいい感じですが、このパッケージですから納得しておきましょう。

持ち上げてみればスペックなりの重さでも、バーディーには実重量を凌ぐ走りの軽快感があります。これは車体全体が持つジオメトリーと剛性バランスの秀逸さによるもの。スタビリティを含め、小径スポーツの完成形といえます。

足りない部分を補完したR仕様にもはや隙はありません。

小:石井美穂さん

高さ調整できるハンドルを一番下まで下げて快適な乗車姿勢に。欲を言うと、もう少しだけハンドルが手前にきてくれたらベストです。

走りが軽く感じるのはスリックのタイヤとホイールのリムハイトの高さの影響かな。路面のギャップによる振動をいい具合に吸収してくれるので、高速でも乗り心地がいい。各部スキのない作りの良さを感じました。

あとは脚次第! 折りたたみ小径車でも走りを犠牲にしたくない方に。

 
文:鈴木絢子 写真:奥村純一、村瀬達矢
 
※『折りたたみ自転車&スモールバイクカタログ2020』(2020年3月発売)より抜粋
2021版は3月31日発売です!

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