MTB天国スコーミッシュ#9|楽しさの共有“MTBアテンド”体験

こんにちは! 昨年日本でMTBと出会い、今はカナダのMTB天国スコーミッシュにて日々トレイルに繰り出している寺井杏雛(あんじゅ)です。

まさか自分が、誰かにマウンテンバイクの楽しさを案内する日が来るとは思ってもいませんでした!

この夏、クライマーの友人・茜ちゃんが遊びに来てくれたのをきっかけに、人生初の“MTBアテンド”をすることになりました。

今回はその初アテンド体験と、「楽しさを共有すること」から見えてきたMTBの魅力についてのお話です。

初めてのアテンド

茜ちゃんは日本にいる時からの友人で、数年前にアメリカのヨセミテの大岩壁も一緒に登った仲。

2023年ヨセミテにて

 

そんな彼女が、今年はスコーミッシュにクライミングをしにやってきました。そこで「クライミングのレスト日にぜひマウンテンバイクをやってみたい」と言ってくれたのです。

ちょうど、私はハードテイルとフルサスの2台のバイクを持っており、茜ちゃんと私の身長もほぼ同じ。これは、バイクを1台貸してアテンドする良い機会だ! ということでアテンド決定!

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初心者でも楽しめるスコーミッシュのトレイル選び

茜ちゃんがメインでやっているアクティビティはクライミング。クライミング(特に岩登り)って、スピードをコントロールするスポーツとはかけ離れたものです。次の一手を丁寧に考え読み解く、いわば、「動くパズル」のようなもの。また、彼女自身「スピード」や下りのスポーツには少し抵抗があるとのこと。

そこで、今回はダウンヒル要素はお試し程度に、自然の中をマウンテンバイクで走ることを楽しんでもらえるようなトレイルを2本チョイスしました!

1本目 Rollercoaster

[難度]Blue Trail / [系統]テクニカル・フロー / [場所]アリスレイク

こちらがダウンヒル要素をちょっぴり含んだトレイル。テクニカルな木の根ゾーンや、気持ちの良いバーム、スピードに身を任せた急なセクションもあるトレイルです。ドロップやジャンプもなく、初心者でも安心してゆっくり走ることができます。

しかも、トレイルに入ってからの登りがわずか15分程度にも関わらず、それなりの長さを下れます。

 

2本目 Lumberjack’s

[難度]Blue Trail / [系統]テクニカル・フロー / [場所]アリスレイク

こちらは、もう少しクロスカントリー寄り。以前はもっと整備されていたようですが、ここ数年、少しトレイルが荒れてしまってダウンヒル要素が減ってしまいました。(私たちにとっては好都合!)スコーミッシュの森の中を気持ちよく走れる1本です。Rollercoaster
を終えて舗装路に一瞬でて、向かいの森がLumberjack’sの入り口です!

いよいよ初ライド!

まずは、自宅で装備をチェック。

ヘルメットはとりあえずクライミング用のものをつけてもらい、あとは私のバイクパーク用の本気装備を貸しました。

そうしたら、ちょっと強そうな見た目になってしまいました(笑)。

自宅から自走したので、30分と少し登って、いよいよRollercoaster。「やっぱり根っこが怖い!」と言いつつ、上手に下っていきます。怖いと感じるところではしっかり降りることができる彼女の安全マージンの取り方のうまさに感心。

続いて、クロスカントリー寄りのLumberjack’s。「こっちの方が全然怖くなくて、綺麗な森をバイクで走れるのが楽しい!」と笑顔。スコーミッシュの森は何度来てもため息が出るほどの美しさ。その景色を誰かと共有できるのもまた、幸せなことだと感じました。

最後はアクセスロードをのんびり走り、市内に戻ってきて2時間半くらいのライドでした!

ライド後にはalice + BROHMのベリーアイス! スコーミッシュ市内に二か所あるベリー味のアイスクリーム屋さんで、程よい甘さが本当に美味しくておすすめです!

 

最後に

乗り終えて、MTBを楽しかったと言ってくれた茜ちゃん。初心者の私ながら、誰かにこの「楽しい」のお裾分けできたことがすごく嬉しかったです。

MTBは、コミットしてダウンヒルに挑戦するアドレナリンたっぷりな楽しさもあれば、自然の中でチルに遊ぶ楽しみ方もあります。

“チル”といっても、ただの散歩をするのとは違います。バイクがあることでグッと冒険感が増し、いつもなら気に留めない木の根や地形を体全体で感じ取ることができるんです。

今回のアテンドを通して、そんなMTBの少し“やさしい入り口”をあらためて感じました。

これからも、MTBのいろんな楽しさを共有できる仲間が少しずつ増えていったら嬉しいです。

では、また。

寺井杏雛

寺井杏雛(てらいあんじゅ)

山で遊び育ち、その想いのまま学生時代を過ごす。22歳でマウンテンバイクと出会い、山との新しい遊び方を知る。現在はカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州、スコーミッシュにて、マウンテンバイクとクライミングを楽しみながら生活を送っている。
Instagramhttps://www.instagram.com/anju_terai/

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