国内最大級のMTBエンデューロシリーズ戦「ENS(Enduro National Series)」。
エンデューロとは、下り基調のコースに複数のステージが設定され、それぞれでタイムを計測。全ステージの合計タイムで順位を競うレースです。
各ステージをつなぐ区間(リエゾン)は主に自走で移動し、次のステージのスタートに間に合う必要があるため、下りのスピードはもちろん、タフさも重要なポイントとなります。
ここでは、ENSのパートナーを務めるシマノによる、レースレポートをお届けします。
SHIMANO ENS 2026 第2戦レポート
2026年5月30日・31日 新潟県・八海山麓MTBパーク(サンロク)
日本のエンデューロシリーズ、ENSの第2戦が5月末に開催。
初夏の気持ちのいい気温の中、新潟県南魚沼市の八海山麓MTBパーク(サンロク)にライダーが集結。コースレイアウトを担当したのは同パークの代表でありディガー・五十嵐哲也氏で、今大会のコースは、ステージごとに異なる顔を持つ設計が参加者を魅了しました。S1はスピードとテクニックで気持ちよく走れるダウンヒル系、S2は体力を徹底的に削り、S3では集中力との戦いを強いるその対比が絶妙で、多くの選手がS2での判断力を問われる展開となりました。
髙水裕史、6年越しの総合優勝

開幕戦を制した幾田悠雅選手が不在のなか、今大会のトップカテゴリーは混戦の様相を呈しました。そのなかで全選手の頂点に立ったのが、髙水裕史選手(Aクラス)です。最終S3まで続いた接戦の中、見事に逆転。3ステージのトータルタイム4分10秒64で総合優勝を果たし、開幕戦5位から大きく順位を上げました。

表彰式でのスピーチが、この優勝の重みをそのまま伝えています。
「念願の総合優勝ができて、ちょっと泣きそうです。ここまで6年かかりました。藤田翔也さんが昔Tシャツをくれたことがあって、ああいうかっこいいライダーになりたいと思って始めたんです。本当に人生で最高の気分です。フィジカルは自転車で作ってきました。トレイルに行ったり、とにかく楽しんで乗り続けること。変に筋トレしても、コーナーが速くなるかというと怪しいじゃないですか、一番は現場で試すことだと思っています。去年は怪我が多かったので、今年はなるべく怪我なく自分のペースで。勝ち負けより、レースから得られるものを大切にしたい。いずれは総合優勝を一発で決めてAAに上がりたいですね」

AAクラスの最上位となったのは佐々木博選手(urge/Looseriders/EXT/Zerogravity/SUBARU)で総合3位。最終ステージでトップタイムを叩き出す意地を見せています。
「E-13のラジアルタイヤを履いて、結構攻めることができました。ただS2の2回目の登りでスライディングしてしまい、そのタイムが響きました。来週オーストラリアのワールドカップの併設レースに参加してきます。日本から応援よろしくお願いします」とのこと。会場から大きな拍手が送られました。

総合2位の小出颯太選手(MTBクラブ安曇野/白馬高校MTBクラブ、Aクラス)は、悔しさが滲む言葉を残しました。
「S2はうまく走れて、優勝できたのではと思っていたんですが、また負けてしまいました。S3は行けると思って油断して、フラットなコーナーで草に突っ込んでリズムを崩してしまいました。次戦は頑張ります」。
Bクラスは茂木昇選手(ZEROGRAVITY)が総合5位という驚異的な結果で制し、e-MTBカテゴリーとの二冠を達成。麦わら帽子姿での登壇に会場が笑いと拍手で沸きました。
Cクラスは橋本颯馬選手が総合10位で優勝し、U19カテゴリーでもダブル受賞。次戦からBクラスへの昇格が決定しています。
Dクラスは奥山ソラ選手(シマノドリンキング)が優勝。20代カテゴリーでも3位に入賞しています。
ハードテイルカテゴリーは木島龍一選手(DEER racing)が制しました。フルサス勢も多いなか総合11位という結果に。
フレンドリーマッチは大黒佑弥選手・向山太地選手・奥山ソラ選手のシマノドリンキングチームがクラス別順位合計10ポイントで優勝。クラスを超えた団体戦は今回も大いに盛り上がりました。
南魚沼の恵みと、前夜から続く宴
八海山麓MTBパークが位置する南魚沼は、日本一のコシヒカリの産地としても知られる地域。今大会では参加賞として南魚沼産コシヒカリが用意され、会場を包むローカルのホスピタリティがライダーたちを温かく迎えました。

レース前夜には恒例のバーベキューパーティが開かれ、多くの参加者が一堂に集まって杯を交わしました。「みんな本当に仲が良くて、前夜祭のバーベキューにはたくさん参加してくれました。レース前日に二日酔い覚悟で飲んで夜中まで楽しむなんて、普通はしないと思うんですが(笑)。でもレースはレース、遊びは遊び、という切り替えができるのがENSらしいと思います」(五十嵐氏)。

技術と体力と我慢——3つのステージに込められたストーリーに全員が真剣に向き合いながら、宴の余韻を引きずるような和やかさも漂う。それがENS八海山麓大会の空気感でした。
次戦は2026年8月22日・23日、会場は野沢温泉。シリーズはさらなる本格展開へと向かいます。
SHIMANO ENS 2026 第2戦 リザルト(総合1〜10位)

ENS(Enduro National Series)
https://ensjapan.net/



