「タイヤが小さい」という共通点のみでカテゴライズされる「小径車」。速さを追求するロードバイク、未舗装路に特化したマウンテンバイクなどと違い、その用途はモデルによって実にさまざまです。そこで、タイプの異なる3人のライダーが実際に試乗。体格や志向の違いも、愛車選びの参考になるはずです。
Chalet Sports Chalet-COZ FLAT
シャレー・スポーツ シャレー・コージー フラット
アンフォールディングの気軽な「街ロード」
折りたたみ車らしからぬ卓越した走りが人気の「カラクル」。その兄弟ブランドの第一弾モデルとして、アルミフレームの非折りたたみバイクがデビューする。
ワンタッチでハンドルバーが横を向き、折りたたまずとも 簡単に省スペース化を実現。独自フレームによる安定感や軽快な走りはカラクルゆずり。より気軽に乗れる 「街ロード」の実力やいかに?
フレーム素材:アルミ
タイヤサイズ:20×1-1/8
変速:1×10speed
フロント歯数:50T
リア歯数:11-28T
ホイールベース(実測値):1000mm
重量:約8.3kg
価格:13万8000円(税別)
問:テック・ワン
http://www.caracle.co.jp/
試乗したのはこちらの3人
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
身長:182cm
股下:87cm
腕の長さ:76cm
公私ともにミニベロに親しむ、神奈川県横浜市にある小径車専門店の店長。プロならではの視点で各車をチェックする。最近ハマっているものは自重トレーニングとコンビニのサラダチキン。
中:編集 トライジェットさん
身長:173cm
股下:80cm
腕の長さ:72cm
姉妹誌『自転車日和』&『MTB日和』では車体のほか、周辺アイテムのインプレッションも担当。最近ハマっているのは「カーボンプレート入りシューズ」で、ランニング用もMTB用もすでに入手済み。
小:石井 美穂さん
身長:153.5cm
股下:72cm
腕の長さ:64cm
ロードバイクからMTBまで、身長に対して大きめのモデルも乗りこなす。自転車愛あふれるレビューは女性や小柄な人も必読! 最近ハマっているのはスパイスカレー作りと、新たに迎えた7歳の中年猫。
乗車ポジションチェック
全員乗れてはいるが、スポーティなモデルのためポジションはシビア。170cm台でもサドルを適正位置に上げるとハンドルがやや近く、180cm台では低く感じる。ステム交換なども視野に入れると◎。
IMPRESSION
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
私の身長だと程よい前傾気味のポジション。剛性が高く、回転性のいいホイールも相まって、踏み込んだ分しっかり加速し、すぐにスピードにのる走りがとても爽快。
高剛性な分、路面ギャップが心配でしたが、想像よりもなめらかです。坂でのダンシングや、高速走行時のコーナリングでの安定感も申し分なし。
保管時に配慮したターンステムや、溶接も美しいワイヤー内蔵フレームなど、細部へのこだわりもいいですね!
中:編集 トライジェット
走りの軽快感以上に驚かされたのは、そのレーシングバイクさながらのシルエットを裏切るコンフォートな乗り味です。初見のイメージを見事に覆されました。
フレーム剛性を高めるためヘッドにブリッジを設けていますが、対してシートステイ側はシンプルな構造にすることで極上の乗り味をキープ、絶妙な味付けがなされています。
当方の身長とはマッチングもよく、何時間でも乗り続けられそうな印象を受けました。
小:石井美穂さん
ロードバイク並みのタイヤの細さからも、スポーティな走りに主眼を置いていることがうかがえます。加速も軽く、登り坂でハンドルを引くような姿勢になったときにも安定していました。
ハンドルが折りたためる「だけ」ですが、玄関に置くときなどにハンドルが邪魔にならないって大事です。
ホリゾンタルのフレームを700Cで実現できない身長の人(私もそのひとりでした)には、もしかしてこれすごくいいのでは?
文:鈴木絢子 写真:奥村純一、村瀬達矢
※『折りたたみ自転車&スモールバイクカタログ2020』(2020年3月発売)より抜粋
2021版は3月31日発売です!