DOWNHILL SERIES(ダウンヒルシリーズ)第4戦 白馬岩岳MTB PARKレポート

©️Hiroyuki NAKAGAWA/DOWNHILL SERIES

マウンテンバイクで “下りのスピード” を競うダウンヒルレース。そのシリーズ戦を行う「DOWNHILL SERIES」の第4戦が、6月15日・16日に長野県の白馬岩岳MTB PARKで開催された。

以下、DOWNHILL SERIESによるレポートをお届けする。

長年、MTBの聖地として人気を博す白馬岩岳MTB PARK。38年ぶりのゴンドラ掛け替え工事のため2024年のレース開催を見送る予定だったが、会場の協力のもと今年も開催が実現した。

DOWNHILL SERIES特設レースコースは昨年とほぼ同じラインをたどりつつ、約700m延長。前半は名物となった巨大スパインから12連バームの後半を使用。

そこからは鬼キャンバー、スラローム、長いストレートを抜けて、後半は通称「タロー」の旧入口のバームセクション、高速区間を抜けたら巨大に盛られたバームに当て込み、今回のために作られたゴール前のジャンプへと飛び込む。

オールドスクールなコースをバームやジャンプなどのニュースクールで挟んだ全長2.37km、標高差341mの特設レーストラックを用意して、196名の参加者を迎えた。

今年の冬に新しくなるゴンドラの支柱が立ち始めていた  ©️Noriyasu KATO

ちょうど梅雨入りと重なるかと予報された雨予報の週末だったが、開催日が近づくにつれて晴れ予報に。長野県白馬村とは思えない暑さはレースの数日前から夕立を降らせていたが、ライダーが走ったあとを砂埃が舞い上がる岩岳らしいコンディションはそのままに当日を迎えた。

7月20-21日に全日本選手権が控えているとあって、全日本選手権を5度制している清水一輝選手(BRAZE A TRAIL)や3度制している井本はじめ選手(Santacruz)らベテラン勢も久しぶりに参戦。

予選は、#2 吉無田高原DHコース大会(熊本県) #3 SRAM PARK大会(愛知県)で2連勝中の土屋聖眞選手(カトーサイクル)が3:04.428で1位。2位には幾田悠雅選手(輪娯館/vittoria)、3位以降には清水一輝選手、田中航太選手(myX/trailadventure)、井本はじめ選手、と勢いのある10代の若手ライダーとベテラン勢が入り乱れた。

日曜日。山の天気は変わりやすく、決勝がはじまるころにはパラパラと天気雨が降り始めた。しかし、やはり路面コンディションが変わるほどにはならず、雨が降っているのに砂埃が舞い上がるという不思議な光景のなかで決勝がスタート。

雨が降っているのに砂埃が立っている不思議なコンディション ©️Noriyasu KATO

エリート女子は藤森美空選手が2位に15秒もの差を付けて優勝。
エリート男子は、幾田悠雅選手が3:02.017で久々の優勝。2位は3:03.702で清水一輝選手、3位には3:07.655で井本はじめ選手が入った。

2024シーズン、初戦から前戦の#3まで3戦続けて2位が続いていた幾田悠雅選手。「ずっと2位が続いていたので、今回は結構いい走りができたなと思って最終走者の(土屋)聖眞を待っていました。(聖眞は)転んじゃって残念でしたが、とりあえず勝てて良かったです。

今回のコースは、180度回るようなターンが多くて、僕は前後29インチなので曲がるのがキツかったんですが、その分ハイスピード区間で29インチのメリットを活かして巻き返せたと思います。試走の時からブレーキをできるだけかけずに走る練習をしていて、どこが限界なのか分かったうえで、本番は越えていけた気がします。次戦の全日本選手権は初めてのエリートクラス。ウイングヒルズのコースは得意なので、表彰台獲得は絶対。優勝したいと思っています。」と話してくれた。

2位に入った清水選手は、「幾田くんも(土屋)聖眞も速くなってきてるし、安定感が出てきてますね。それは僕らベテラン勢にとって刺激になっています。今回の結果を踏まえて、全日本に向けて何をしようかな、と。僕たちライダーは1年間、全日本に向けて頑張っているので、前月にDOWNHILL SERIESで調整できてプラスになりました。上げていきます!」と話した。

予選1位の土屋選手は、多くの観客が集まった最終ジャンプでクラッシュ。レース後、SNSには「もう負けません」と一言。

次戦は全日本選手権。ワールドカップを転戦する昨年の全日本チャンピオン・九島勇気選手に国内勢がどこまで切り込めるか。ベテラン勢の牙城を、勢いある10代のライダーたちがどこまで崩せるか。

エリート男子リザルト
1. 幾田悠雅(輪娯館/vittoria) 3:02.017
2. 清水一輝(BLAZE A TRAIL) 3:03.702
3. 井本はじめ(Santacruz) 3:07.655

エリート女子リザルト
1. 藤森美空 3:30.940
2. 篠原彩緒(morinekiよろづやレーシング) 3:46.850
3. 渡邊美里(Wander Vogel/gennoji) 3:52.147

DOWNHILL SERIESの次戦、 #5 ニセコアンヌプリ国際スキー場MTBパーク・特設コース(北海道)は8月24日・25日の開催となる。

その前に、8月4日(日)に1day開催のスピンオフ大会、DOWNHILL SERIES in MTBファンミーティングを富士見パノラマで開催。
キッズやビギナーの方にも楽しんでいただけるようなお試しDOWNHILL SERIES。こちらへのご参加もお待ちしております。

エリート男子優勝の幾田悠雅選手 ©️Noriyasu KATO

エリート女子優勝の藤森美空選手 ©️Noriyasu KATO

 

問:DOWNHILL SERIES
https://dhseries.jp/

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