マウンテンバイクと出会い、その魅力に取りつかれてしまう。そこにはどんな道のりがあったのか……
さまざまなマウンテンバイクライフを楽しむ人たちのリアルなエピソードをお届けします。
右から伊藤さん、黒木さん、小鉢さん。この日は村の名産品さるなしの畑をバックにライド撮影。MTBで外を走ることにはまだ慣れていないという小針さんと黒木さんもこの笑顔!
SANTA CRUZ CHAMELEON
こちらは伊藤さんの愛車、サンタクルズのカメレオン。取り回しが軽く乗りやすくてどこでも走れるところや、色がかわいいところも気に入っている。カスタムポイントは黒のアルマイトを自分で剥離したチェーンリング。写真では見えないが、レンサルのハンドルやBMX パーツブランドVersus Me のトップキャップもお気に入り。
体験して楽しみを知ることでMTBの魅力も伝播する
「日本一自転車が好きな村」として、すべての自転車が楽しめるフィールドづくりやサイクリングツアー、スクールなどを展開している福島県の玉川村。そこで地域おこし協力隊として活躍する伊藤さん、小針さん、黒木さんのMTBとの関わりは?
もともとBMXに乗っていたという伊藤さんは、宮城県のマウンテンバイクコース、OGAWARA MTB SPARKでディグやインストラクターをしたところ、自転車に関わる地域おこし協力隊への誘いを受けて1年半ほど前に玉川村に移住。「自転車事業支援隊員」として、活動しています。
「村内をめぐるサイリイングツアーを月1回、10月からはサイクルロゲイニングがスタートします。メインはBMXではあるんですけど、週末などは山に入ってMTBのガイドをすることも
あります。職務としては自転車事業全体をまとめているのですが、仕事の日も休みの日も自転車漬けで、ずっと自転車に乗れるので最高です(笑)」
玉川村出身の小針さんは、関東の大学を卒業後に広告系の企業に就職しましたが、地元で働いてみたいと思い地域おこし協力隊員に。広告系企業での経験を生かし「情報発信支援隊員」として地域の情報発信をするなかで、機会がありMTBに乗るようになりました。
「まだはじめたばかりですが、屋内のアーバンスポーツたまかわで伊藤さんに教えていただきながら乗るようになりました。スリルがあって楽しいです。村内の畑や田んぼの周辺もとても気持ちよさそうなので、外でもいろいろな場所を走ってみたいです」
東京の病院で看護師として働いていた黒木さんは、地域の医療に関わることをしたいと考えていたところ、玉川村の地域おこし協力隊で看護師の資格を活かせることを知り、4月から「コミュニティーナース隊員」として働きはじめました。MTBに乗りはじめたのは小針さんと同じタイミング。
「せっかくだからやってみないかと誘われて。アーバンスポーツたまかわで、坂を上ったり下ったり教えてもらいながら練習しています。慣れるとできることが増えてくるので楽しいですね。今日走ってみて、屋外で走ることにも興味がわいてきました」
自転車に特化した協力隊員伊藤さんの影響もあり、これまであまり自転車に触れる機会のなかったほかの協力隊員へも自転車の魅力が伝わっているようで、小針さんは「ずっと自転車に乗っていた方だけではなく今まで自転車に乗っていなかった方にも乗ってほしいです」と。こうして自然と村全体へ波及していくのもひとつの理想かもしれません。
愛好家が集まる施設も大切ですが、玉川村が目指すのはそこだけではありません。初心者をはじめとする多くの人に自転車を楽しんでもらえる環境づくりを目指し、自転車を楽しんでいる人が身近な人へその楽しさを伝え、フィードバックを受けながら試行錯誤する。
「日本一自転車が好きな村」として、MTBのコミュニティも広がっていくことを期待しています!