布団峠の誘惑
朝サイの一番の難題は、布団峠の誘惑だ。前夜の晩酌時は、明朝は朝サイにいこう!と意気揚々。まるで遠足前の小学生気分である。
しかし、翌朝目覚ましで起こされた時の感情と思いは180度転換して、止める理由を探す自分との闘いだ。
自然現象でトイレに行かざるを得ず一度は布団から離れるが、布団に戻る誘惑……あと10分いやあと5分だけでも……という気持ちに抗うことは簡単ではない。
一度戻ったら最後、気が付いたらニョーボに起こされることもしばしば。まして、これからの時期寒くなれば、なおさら誘惑に負けることも多くなるだろう。
なんとか頑張って起きて外を眺めたら雨が降っていると、“ホッ”とする情けない自分が居る。実は雨が降っていなくても、グズグズして、30 分くらいは悶々と時間が過ぎる……
スッキリと起きられない原因は、
*睡眠不足
*前夜飲みすぎで二日酔い
など、自分自身が原因だったりするのだけれど、この布団峠の誘惑に打ち勝つ方法はふたつある。
2.朝サイの友人を作って約束をする
1.前夜にまったく準備をしないで、気持ちだけ『朝サイに行こう!』なんて思っていると、ほぼ50%以上の確率で布団峠の誘惑に負ける。
サイクリストのいでたちで、寝て目覚ましと同時に顔を洗えば、成功する確率は75%に跳ね上がる。
しかし、ニョーボに評判が悪いことは覚悟しなくてはいけない……たぶん。でもそんな逆風があっても、すべて準備をしておけばかなりの成功率だ。
ただ注意点として、自分が “おやぢ” であることを自覚しているならば、ビブショーツの肩紐は外して寝た方が良い。
これが肩こりと腰痛の原因になったりするので要注意だ。身体の柔軟性がある若者ならばそんなことは関係ないけれど……。
2.朝サイの友人をつくって、待ち合わせの約束をすると朝サイ成功率は98%まで跳ね上がる。約束してドタキャンすると人間的に問題だし、友人を失いかねない。
なんとなく想像できると思うが、人間とは勝手なもので、眠さに耐えかねてやっと約束の場所まで来たのに、ドタキャン喰らうと通常の場合のドタキャンよりも、憎悪のエネルギーは2倍くらいになる。
後々禍根を残すし、なにかの機会にお詫びの一席を設けなければならないので、たった1回での過ちでも大きな損害になることは間違いない 。
なので、朝サイを約束できる友人がいれば、ほとんど朝サイは成功するのだ。
朝サイの友人をみつける
いまはSNSという便利なものがあるので、意外と簡単に見つかる可能性が高いが、原始的なナンパという方法もある。
知りたい? では、ナンパの方法を伝授しよう(笑)。
朝、お散歩する歩行者のそばを通行するときは、気持ちよく「おはようございます」と声掛けしているだろうか?
これはサイクリストの地位向上のために重要であるし、このふるまいは、サイクリストの友人をみつけるのに通じる行為だ。
朝サイは、自宅からそう離れたところではないので、出会うローディ達も近所のはずだ。
しかし、問題はサイクリングロード上では、同じような走り方をする人に巡り合わないことだ。
同じようなスピードで移動しているので、すれ違うことはあっても、なかなか同じ方向で接近して走る機会がない。
なので、あえて少しゆっくり走ってみて、ターゲットが来るのを待つ方法、“待ち伏せナンパ” をするのだ。
そして、抜かすときに声をかけて抜かしていくような人がいたら、「すみません、少し後ろに付かしてもらってもいいですか?」と声掛けして、ストーカー走行(ドラフティング)をしてみよう。
朝のサイクリングロードで無言で抜かしていくサイクリストは、ジテツーで急いでいるか? 初心者か? 性格のあまり良くない輩か? が多いので、後ろについても、必死にちぎろうとする人が多い。
後ろに付くと言っているのに、無言でサインも出さないのは、付くだけでも危険だから、“君子危うきに近寄らず” だ。
これは朝に限らず言えることなので覚えていたほうがいい。
手信号も出して、会話がマトモにできるような人ならばSNSでトモダチになって、朝サイに誘い誘われるような友人関係を築くことができるだろう。
もし、朝の一般道で信号待ちの時に他のローディと一緒になる機会があったら、にっこり「おはようございます。どちらまで?」と聞いてみて、方向が同じだったら「途中までにご一緒してOKですか?」と聞いてみるのも手だ。
おやぢの顔は、加齢とともに無意識のうちに“怒ったような顔” になるので、にっこり笑う練習をわすれずに!
実際 、ベテランサイクリストは、オープンマインドの方が多い、しかも面倒見がよくていろいろな事を知っているし、教えてくれるし、いろいろな楽しみ方を知っている。それは、サイクリングライフの中での大きな財産になることはまちがいない。
朝の景色の素晴らしさは、本当に行った人でないとわからない。友人ができて一緒に感動を共有できるのは、素晴らしい思い出となる。
そんなことを出勤前に味わえるなんて、ちょっとステキでしょう?? それに、自宅に帰って朝ごはんも美味しく食べられる。
この年齢になると血圧が高いとか、脂質異常症、尿酸値、血糖値……メタボで、食事制限なんて人もいるかもしれないが、サイクリングの30kmの走行距離のエネルギーは、ランの約10kmのエネルギー消費と同じだそうだ。(順天堂大学:形本教授より)
これを読んでいただいている皆さんは、たぶん10km走るのはしんどいけれど、30kmくらいの距離なら、本当に朝飯前!と思う人が多いはずだ。
体重70kgの人ならば、おおよそ700kcal前後のエネルギー消費量になるので、朝食をしっかり食べても、消費カロリーが摂取カロリーを上回るはず。
しかも、空腹時の軽い運動は脂肪燃焼を促す効果が高いらしいので、おやぢには良いことだらけだ。
今回の話題は、ビジュアル的にはつまらなかったので、埼クリストより「これからの季節におすすめの場所」を紹介する。
「埼クリング」したくなるでしょう??
次回もおススメ場所の写真をアップします!
Profile 神田秀仁
若い頃はオートバイに狂っていたが、自転車業界(Tommasini,Casati,Calamita)に関わり始めた30年以上前にMTBに乗り始め、20年ほど前からロードバイクに乗り始める。中年以降は、メタボ(脂質異常症)、脊柱管狭窄症、腰椎ヘルニア、アレルギー性喘息等を経験しながら、ダイエットにいそしむ。軽いノリでロードバイク、ラン、スイムを始め、2002年にトライアスロンに挑戦したが、溺れかけ、スイムがトラウマに。その後数年はデュアスロンとなり、奥武蔵を中心にサイクリングを楽しむように。気付けば80kg以上あった体重は、70kg前後に。トライアスロンも復活(宮古島・佐渡・Ironamnを経験)。