輪行を使えば離れた場所へも鉄道や飛行機でひとっ飛び。今回はその1例として、新幹線で都内から新潟県は糸魚川市まで一気に移動し、最高の日帰りサイクリングを満喫しちゃいます。日本海の雄大な景色を横目に、鉄道好きなら一度は走ってみたい、唯一無二の自転車道をご紹介します!
小径車でも無理なく走れる日本海沿いの自転車道へ
北陸新幹線が開通したことにより、都内からも短時間で快適に訪れることができるようになった糸魚川市。ここには鉄道好きのサイクリストなら1度は走っておきたい、最高のサイクリングロードが存在します。
今回の目的はまさしく、その久比岐自転車道でのサイクリング。こちらの自転車道、実は旧国鉄の北陸本線の線路跡地を利用したもので、糸魚川市中宿から上越市虫生岩戸まで日本海に沿って繋がる全長約32キロの自転車&歩行者専用道路なんです。
体力を削られるきつく長い登りもなく、小径車でもくるくると足を回せば数時間で走り切れてしまいますが、日本海ならではの絶景ポイント、海鮮グルメポイントほか、立ち寄りどころが目白押しなので、退屈する時間など一瞬たりともありません。近くには温泉付きの宿泊施設もあり、1泊プランでのんびりとツアーを満喫するも◎。最高の自転車旅を体験できます。
やってきました糸魚川
鉄道実車両、模型、プラレールetc マニアもうなる充実した内容
糸魚川ジオステーション ジオパル
新潟県糸魚川市大町1-7-47
(糸魚川駅アルプス口1階)
◎ジオパーク観光インフォメーションセンター・キハ52 待合室
8:30~19:00(7~9月は8:30~19:30)
◎トワイライトエクスプレス見学 10:00〜15:00
◎ジオラマ鉄道模型ステーション
平日10:00 ~ 18:00(通年)
土・日曜、祝日9:00 ~ 18:30
(7~9月は9:00 ~ 19:00)
休館日 1月1日
糸魚川地域振興局では、4月29日より〈久比岐自転車道レンガトンネルカード〉を配布。各500枚でなくなり次第終了です! ※詳しい配布場所は久比岐自転車道魅力アップ実行 委員会(tel 025-553-1843)まで。
蒸気機関車が走っていた自転車道のトンネルへGO
現在、海岸線から離れた場所を走っているえちごトキめき鉄道の日本海ひすいラインですが、旧国鉄北陸本線時代は海側を走っていました。
その跡地である久比岐自転車道、「いま自転車で走っている道をかつて蒸気機関車が真っ黒な煙を吐き出しながら、轟音とともに走っていた ……」そう想像するだけでサイクリングの気分は一気に高まります。
当時のレンガがそのまま使用されているトンネル&橋梁ほか、歴史を感じさせる鉄道遺構がこの久比岐自転車道沿いには数多く残されているので、鉄分の補給にはこと欠きません。 SL気分でペダルを回して、レトロなムードに浸ります。
お待ちかねのランチタイムは道の駅マリンドーム能生にて。こちらはレストランやお土産やさん、カニや鮮魚の市場がギュッと詰まった夢のような空間です。JR糸魚川駅からここまで距離にして約17キロ。お腹の空き具合もちょうどいい?
地元海洋高校の学生が商品開発&製造販売!?
4月16日にオープンしたばかりの能水商店にはカフェも併設。地元海洋高校の生徒が開発した鮭の魚醤〈最後の一滴〉や相撲部が開発した〈ごっつぁんカレー〉も購入できます。
新潟県糸魚川市能生小泊3596-2
tel 025-566-3456
通常営業時間
◎レストラン&軽食 9:00~17:00
◎おみやげ売店 9:00~17:00
◎かにや横丁 8:00~17:00
◎鮮魚センター 季節によって異なる
http://www.marine-dream.net/
かつては地上の駅だった!? 異世界感たっぷりのモグラ駅
3月にドラマで紹介されたためか最近、鉄道ファンを含む多くの人が訪れるえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの筒石駅。地すべりの影響で海沿いから山側に北陸本線を移設する際、駅を存続させたいという住民の強い要望もあってモグラ駅へと生まれ変わりました。
ローカル線での輪行も◎ 旅は続くよ、どこまでも
日本海の雄大な景色を満喫できるビューポイント、8つのトンネルetc。32キロの自転車道(+約10キロの市街地)を走り切り、帰りは直江津駅からえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインを利用して、輪行で糸魚川駅まで戻ります。
気軽に鉄道輪行できるのが折りたたみ自転車の魅力。ローカル線の旅も楽しめてしまうのだから一挙両得です。鉄道ファンのサイクリストにとって、こんな贅沢な自転車旅はまずほかにありません。
「絶対、また走りに来るぞ!」
写真:村瀬達矢
『自転車日和』vol.61(2022年5月発売)より抜粋