英国生まれのフォールディングバイクと日本生まれのモバイル変身自転車 ブロンプトンとirukaを比べる

どこかトラディショナルなムードを漂わす英国生まれのブロンプトン。対して、近未来的なシルエットが目を引くアーバンスタイルのiruka。2台の折りたたみ自転車の間に生まれたデザイン性の相違は必然だったのか? それとも偶然? iruka がブロンプトンを模範とした部分、独自の路線を目指した部分について、開発者の小林さんにお話をうかがいました。

折りたたみ自転車の開発にブロンプトンの研究は必須

10年余りの開発期間を経て2019年、デリバリーが開始されたモバイル変身自転車、iruka。久々に誕生したジャパンブランドのフォールディングバイクとあって、その期待値は相当なものでした。スタートダッシュからさらに加速、すでに海外5カ国に輸出されるようになったirukaはデビューからわずか2年、世界で評価されるモデルにまで成長しました。このiruka誕生のストーリーにブロンプトンは欠かせない存在だったのです。

「irukaを作ろうと決めてすぐ、研究材料としてブロンプトンを購入しました。折りたたみ自転車のキングですから当然です。いちユーザーとしても興味があったし、当時仕事場への往復にも使っていました」と小林さん。そしてブロンプトンとは違う、ブロンプトンを超える自転車開発に向けて躍進します。

「実際に乗ってみて思うところはありました。ブレーキレバーの角度であったり、乗車姿勢であったり。不満ということではなく、もう少しスポーティな、ブロンプトンとは違うものを作りたい。そういう思いがあったので、irukaはトップチューブにヒンジを設けず、ハンドルポストもヒンジ固定ではなく差し込みタイプにして車体の剛性を確保したり。いろいろとヒントをもらいました」
 
ほかにも意識した部分はありました。それはirukaのアイデンティティのひとつ、デザインについて。「ブロンプトンの人気の理由にレトロな外観が挙げられます。だからこそ、irukaはやりすぎ感がある
ほどモダンなデザインにしようと考えました。ワイヤールーティングについても勉強させてもらい、その上であえて、差別化を図るため、irukaはワイヤーをフレームの中へ通すことにしました」と振り返ります。
 
ブロンプトンを模倣した部分もあります。ウェイティングモードはブロンプトンのそれを踏襲したシステムでした。また、ブロンプトンも基本のフレームはひとつだけで、キャリアやアタッチメントを充実させた点も、ブロンプトンに習ったところが大きいそうです。

ブロンプトンとiruka。スタイルの異なる2台を所有し、ファッションに応じて使い分ける……多頭飼いも珍しくないミニベロオーナーたちにとっては案外、おもしろい付き合い方かもしれませんね。
 

小林さん所有のブロンプトンとiruka。意識した“違い”は明確だ。

iruka
タイヤ径:18 インチ
変速数:1×8speed
重量:11.9kg(ペダル、カプラーを含まず)
フレーム:アルミ
問:イルカ info@iruka.tokyo
https://www.iruka.tokyo/

株式会社イルカ
創業者/代表取締役
小林正樹さん

写真:村瀬達矢 文:トライジェット
『自転車日和』vol.58(2021年4月発売)より抜粋
 

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