「タイヤが小さい」という共通点のみでカテゴライズされる「小径車」。速さを追求するロードバイク、未舗装路に特化したマウンテンバイクなどと違い、その用途はモデルによって実にさまざまです。そこで、タイプの異なる3人のライダーが実際に試乗。体格や志向の違いも、愛車選びの参考になるはずです。
OXbikes PECO Buccho
オーエックスバイクス ペコ ブッチョ
「小径ファット」ジャンル、ここに極まれり
12インチのファットタイヤを装備した前後サスペンションつきの折りたたみモデル。
カラーリングはブランド共通の5色のほか、ブッチョだけの限定色としてファインレッドとホワイトを展開。さらに70色から塗り分け可能なカスタムペイントも選べる。
ノブが高めのブロックタイヤと、スターメーアーチャーの内装4段変速をどう活かすか?楽しみ方はライダー次第!
※前後キャリアはオプションです。
フレーム素材:アルミ
タイヤサイズ:12-1/2×3.0
変速:1×4speed
フロント歯数:39T
リア歯数:14T
ホイールベース(実測値):889mm
重量:12.7kg
価格:21万3000円(税別)
問:オーエックスエンジニアリング
http://oxgroup.co.jp/bicycle/
試乗したのはこちらの3人
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
身長:182cm
股下:87cm
腕の長さ:76cm
公私ともにミニベロに親しむ、神奈川県横浜市にある小径車専門店の店長。プロならではの視点で各車をチェックする。最近ハマっているものは自重トレーニングとコンビニのサラダチキン。
中:編集 トライジェットさん
身長:173cm
股下:80cm
腕の長さ:72cm
姉妹誌『自転車日和』&『MTB日和』では車体のほか、周辺アイテムのインプレッションも担当。最近ハマっているのは「カーボンプレート入りシューズ」で、ランニング用もMTB用もすでに入手済み。
小:石井 美穂さん
身長:153.5cm
股下:72cm
腕の長さ:64cm
ロードバイクからMTBまで、身長に対して大きめのモデルも乗りこなす。自転車愛あふれるレビューは女性や小柄な人も必読! 最近ハマっているのはスパイスカレー作りと、新たに迎えた7歳の中年猫。
乗車ポジションチェック
全員が「ハンドル位置が高め」だと感じたママチャリ的ポジションだが、アップライトな乗車姿勢はバイクのコンセプトにマッチしたもの。ライダーの体格を問わず、小柄な人でもちょうどよく乗れる。
IMPRESSION
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
ふわふわした独特な乗り心地にはほかのモデルにはない楽しさがあります。
極太タイヤとよく動くサスペンションの恩恵で、未舗装路も快適かと思われるかもしれませんが、そこは12インチの極小タイヤ。悪路ではハンドルが取られてしまうので注意が必要です。
何より独自の折りたたみギミックと小径ファットタイヤが生む存在感は物欲をそそりますね。人と違う自転車を探している方にはたまらないのでは?
中:編集 トライジェット
乗る度に笑顔がこぼれる唯一無二の存在。中でもブッチョは見た目も乗り味も最大級の癒し系。正直、このバイクに乗ったら1ミリも飛ばす気にはなれません。
タイヤのエアボリューム&サスペンションが動くリズムに合わせて一番気持ちよく足をまわせるポイントを追求していきましょう。
一瞬で折りたためるフレームに対して、地味に面倒なハンドルの折りたたみ機構もご愛嬌。速度域然り、急いだら負けです!
小:石井美穂さん
ニュアンスカラーを選ぶペコのセンス、好きです。オプションの前後キャリアも「PECO」のロゴが入っていてかわいい!
太いブロックタイヤのごろんごろん、という転がり感をお尻に感じながら進むのは、さながらアトラクションのよう。スピード感を楽しむものではなく、これはこれでとても楽しい乗り物です。
ギアはこぎ出しの一番軽いギアから2・3くらいまでが実用域。女性の脚力で4を使う人は少ないかも。
文:鈴木絢子 写真:奥村純一、村瀬達矢
※『折りたたみ自転車&スモールバイクカタログ2020』(2020年3月発売)より抜粋
2021版は3月31日発売です!