実録リアル自転車ライフ「Mt.富士ヒルクライム」vol.20

写真と文:星野哲哉

今回行ってきたのはココ!!

Mt.富士ヒルクライム

開催日:2019年6月9日

山梨県富士吉田市から富士山の五合目まで、走行距離24km、標高差1200mのコースを、約1万人が駆け上がるレース。今年は朝からあいにくの雨に見舞われ、ゴール地点の富士山五合目の気温は真冬並みの寒さだった。雨は下山中も続いたため、今まで出場した中で最も過酷なレースになった。

慣れているはずのレースで
自己ワースト記録を更新!

今年もMt.富士ヒルクライムに参加してきた。気が付けば8回目の出場だ。年によって運営の細部は異なるが、基本的には毎年同じ。

富士スバルラインを5合目まで駆け上がるというコースがそもそも変わらないので、8回も参加していれば、諸々手慣れたものである。

宿の予約に大会エントリー。そして、当日の移動……。

しかし、肝心のレース結果だけはそうもいかず、自己ワースト記録を更新。ロードバイクに乗り始めた頃に、初めて出場した時のタイムよりも遅いタイムだった。

どうしてこんなことになったのだろうか?

(1)乗り込み不足

(2)補給の失敗

ふたつの理由が頭に浮かんだ。

「(1)乗り込み不足」について

年が明けてから富士ヒルクライムの前日までに、自転車に乗った日数と距離を調べてみた。

   走行日数    走行距離
  今年  14 日     546㎞
  昨年  17 日     949㎞
  一昨年  23 日     839㎞

日数も距離も、明らかに今年は少ない。実は最近、自転車に乗る代わりに、体幹のトレーニングをしている。

その効果か、乗車姿勢が安定してきた気がするのだが、それだけではヒルクライムのタイムは良くならないということか。

「自転車の筋肉は自転車に乗ることでしか鍛えられない」という言葉を目にしたことがある。自転車競技に近道はなく、継続して乗ることが大切だということなのだろうか。

(2)補給の失敗」について

100㎞以上のロングライドをするわけでもないので、レース2、3日前からの、いわゆるカーボローディング的な事は特別しなかった。

それが影響したのかどうかはわからないが、レース途中から力が入らなくなって、心拍数も上がらなくなっていった。

しかもこの日の天候は雨で気温も低かった。普通ならヒルクライムをしていれば、身体が熱くなってくるものだが、逆に寒くなっていった。

そのため、走っている途中でトイレに行きたくなり、第一関門のところでトイレ休憩。その後もペースが上がらず、サイクリングのような状態に。

極めつけは、走っているうちにボーッとしてきて身の危険を感じたので、駐車場スペースで二度目の休憩をする始末。「早くゴールをして、濡れたウエアを着替えたい」

そんなことを考えながら走っていた。

24㎞の道を2時間ぐらいかけて登るくらいなら、補給をそんなに意識する必要はないだろう。

今まで、それで走れていたし。そんな、慣れによる油断だったのだろうか。

レースを終えて家に帰ってから一週間ぐらいの間、常に空腹を感じていたり、眠気が襲ってきたりするようになった。

ひたすら食べまくって寝たら、徐々に普通の状態に戻っていったので、やっぱりエネルギーの消費に対して、カロリーの摂取が足りなかったということなのか。

前日の夕食や当日の朝食は、しっかりと摂ったつもりだったが、それでは足りなかったのだろう。

それにしても、今回はどうしてこんなことになってしまったのか。今までと違った点は、レース中に雨が降っていて寒かったことぐらい。

雨が降っていたことは今までもあったが、コースの一部だったりゴール後の下山中だったりで、今回のようにレース中のほとんどで降っていたことはなかったと思う。

寒い時の方が、体温を維持しようとするために、エネルギーを多く消費すると聞いたことがある。そんなわけで、今まで経験したヒルクライムレースよりも、カロリーが必要だったのかもしれない。
 

雨中ライドで大切なのは
いかに濡れずに走れるか

レース的には失敗に終わった今回のMt.富士ヒルクライムだったが、良かった部分もあった。

雨用の装備をバッチリ用意したことだ。おかげで、悪コンディションの中でも凍えることなく下山することができた。

ポイントとしたのは、手と足。ここが雨でびしゃびしゃになると、下山中がとても辛いものになる。かといって、雨中で走ることなど滅多にないので、高価な専用品ではちともったいない。

そこで見つけたのが、普通のグローブにかぶせるタイプの防水カバーと、100均で売っている靴カバー。コストパフォーマンス的にも良かったと思う。

補給と装備―。自転車に乗るにあたって、これらが大切だということを改めて感じた。

これから梅雨が明けたら、自転車で遠出をしようと計画している方もいるだろう。その際に今回の私の経験が役に立ったら幸いである。

ところで前日の受付日は、レース日の天候が恨めしくなるほど天気が良かった。そこで今回は、富士信仰に関するところの観光をしてみた。

御師住宅、浅間神社、胎内樹型……。実は、8回目にして初めて訪れた。無事に終えることができたのも、富士山のご加護だったのだろうか。

 

世界文化遺産「富士山」

御師住宅旧外川家住宅

御師というのは、江戸時代、富士山に信仰のために登山する人々に、宿として提供したり信仰の案内などを請け負っていた人たちのこと。旧外川家住宅には、当時の品々がそのまま残されている。

北口本宮富士浅間神社

木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)など、富士山の神様が祀られている神社。富士登山道吉田口の起点にもなっている。このたび初めて御朱印をいただいた。これを機に、今後は御朱印巡りの旅をするのも良いかもしれない。

船津胎内樹型

富士山から流れ出た溶岩でできた洞穴。中の様子が母の胎内のようだということで、富士山に登拝する前日に“生まれ変わり”を体験するのが決まりだったようだ。

 

Profile 星野哲哉

同じ社の別の編集部で働くアラフィフ社員。富士ヒルクライム後に、自転車をオーバーホールに出したら、10年近く使っている自転車が新品のように動きが軽くなった。次なる目標は、昨年中止になった「ThePEAKS」。獲得標高5000m超に挑んできます。

『自転車日和』vol.52より抜粋

- 連載, ロードバイク