『MTB日和』的スタッフレポート「QUAI BICYCLE COMPONENTS」

弊誌スタッフのやってみたこと、試したことの実録レポート。「MTB 日和」ならではの、バラエティに富んだトピックでお届けします。お茶のおともにでもしていただければ幸いでございます。

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MONDRAKER RAZE R

春先に購入したニューフレーム。手持ちの余り品などでパーツはそろっていたものの、バタバタと忙しくしているうちに夏を迎え、形になったのはこの8月。無事にシェイクタウンを終えて今回、編集部のテストバイクらしく気になるアイテムのチェックをする機会と相成りました。

編集トライジェット
スマイルバイクパークへ向かう途中、目に飛び込んできた光景。観覧車の向こうにまた観覧車? 理由は旧新を入れ替えるためだとか。今しか見られない貴重な体験でした。

独自の技術が盛り込まれたかつてないホイールセット

今回、新たな編集部号として組み上げたモンドレイカーのレイズ。フロント150ミリ、リア130ミリのトラベル量を持つトレイルバイクです。

パーツは手元にあったそれなりの余りものを使用したため、このご時世ながらお財布事情に大きなダメージはありませんでした。そもそもテストバイクなので、スタンダードなパーツで乗っておかないと、フィーリングの違いを感じられませんからね。

まず第一弾としてセットしたのがこちらのアイテム。前号にて別件取材のためオーバーライズさまにお邪魔したところ、なにやら見覚えのないホイールが
並んでいるではないですか。

店主さまにお伺いしたところ、オーバーライズさまが輸入代理店を務める新進気鋭のブランド〈クアイバイシクルコンポーネンツ〉のアイテムとのことで、ENSではすでに佐々木選手が実践投入済み。

ロボ世代にはたまらないマッシブなリムのフォルムに惚れ惚れしていると「テストに使ってみませんか?」とのお話をいただき、レポートアイテムの第一弾として取り上げさせていただきました。同ブランドのカーボンハンドルバーと併せてチェックしてまいります。

QUAI BICYCLE COMPONENTS
ISOS 33 29 ENDURO WHEEL SET
クアイバイシクルコンポーネンツ ISOS 33 29 エンデューロホイールセット

価格:21万7800円(税込)
スポーク強度が均等になるように考慮された特許技術ほか、その独自性の高さが光る軽量なカーボンホイール。各モデルに生涯保証が付帯する(各カテゴリーでの使用状況下に限る)。
SPEC
重量:1870g、リム内幅:33mm、リ
ム外幅:39mm、オフセット:3mm、
対応フリーボディ:シマノHG、シマノ
マイクロスプライン 、スラムXD

QUAI BICYCLE COMPONENTS
M4 HANDLE BAR
クアイバイシクルコンポーネンツ M4 ハンドルバー

価格:1万5180円(税込)
軽量かつ振動吸収性に優れた強度の高いカーボンハンドル。クロスカントリー向けからエンデューロ向けまでクランプ径とライズ量の異なる5タイプがラインアップされる。
SPEC
重量:210g、幅:800mm、クランプ径:35mm、ライズ:25mm、バックスイープ:7°、
アップスイープ: 5°

問:オーバーライズ
☎︎027-288-8177
https://www.overridesmtb.com/

クアイのハンドルバー&ホイールセットを装着 したニュー編集部号。ロボ感たっぷりでフルサスとの相性は抜群。

見た目からは想像つかない乗り手に優しい乗車感覚

ハイグレードカーボンサプライヤーとしていま、密かに注目されている〈クアイバイシクルコンポーネンツ〉。台湾発の高品質かつオリジナリティあふれ
るカーボンパーツを次々と開発、海外レースやイベントに参加するライダーたちがこぞって使用していることからも、その信頼性の高さは証明されています。

競技ではすでに実績のあるこのホイールセットですが、我々一般のマウンテンバイカーにとって必ずしも扱いやすいアイテムとは限りません。

見るからに剛性の高そうな造形ですし、相応の速度域で走ってこそ真価を発揮するのでは……などと思いつつ、ふじてんリゾートに持ち込んだところ、特に木の根が連続するようなシーンにおいて、想像を超えるマイルドなフィーリングを実感。

不規則な路面でもタイヤがしっかりと凹凸を追従しつつ、なおかつ衝撃をいなしてくれる印象を受けました。

もちろん、エンデューロ競技に使用されているくらいですから、剛性不足などということはありえません。多ノッチハブゆえかペダルへの入力に対する反応も素早く「これは路面の激しいフィールドでのトレイルライドに最適なのでは?」と予想した次第。

ショックを吸収しつつもスタビリティを保ってくれる同ブランドのハンドルバーと併せて装着すれば、トレイルバイクとして最高の乗り味を提供してくれ
ることは間違いないでしょう。

ホイール(&ハンドルバー)選びで悩んでいる読者のみなさん、この組み合わせは最強と言えるかもしれませんよ?


単体を構造体として強度を上げるボックス形状のリムはメカ好き男子に垂涎必至。


シンプルなグラフィックながら付属のデカールによりラインのカラー変更ができる。


ペダリングの踏み込みにロスを感じさせない102ノッチのラチェットハブを装備。

上下方向の突き上げをしっかりと吸収しながらハンドル自体の剛性感に低下は感じられない。疲労軽減に効果が期待できるカーボンバーも是非とも試していただきたいアイテム。

 

障害物を乗り越える際にも真円を保つという独自開発のボックス形状リムのおかげか、転がり抵抗は抑えられてスムーズに通過できる印象。かといって跳ねあげられる感覚もない快適度の高い乗り心地は、下り系のマウンテンバイカーに多大な恩恵を与えてくれるはず。

踏み込みに鋭く呼応する102ノッチのラチェットハブとの組み合わせは、トレイルライドでもその真価を発揮すること受けあいだ。

『MTB日和』vol.57より抜粋

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