知っているようで実は知らない いまさら聞けないMTB基礎講座 第3回 〜シューズ&ペダル編〜

普段、なにげなく乗っているMTBですが、操作方法ひとつとってみてもよくよく考えてみると、ちょっと自信がない……それは車体だけでなく、関連アイテムについても当てはまります。そんな貴方をこっそりサポートするこちらのコーナー。第3回はシューズ&ペダルをテーマに取り上げてみます。

 

楽しみ方の幅が広がるMTBシューズ&ペダル選び

完成車を購入後、なんとなくそのまま乗っている方もいるかと思いますが、MTBには専用のシューズとペダルがあることをご存知ですか? 大きく分けるとふたつ。シューズとペダルが固定されない「フラット」タイプと、固定される「ビンディング」タイプです。

「フラットタイプなら街乗り用のペダルとスニーカーでいいのでは?」と思われるかもしれませんが、MTB用の場合、悪路でもシューズが滑りにくいようにペダルにはピンが付いていますし、シューズにはピンに食いつきやすいソールが採用されるなどMTBライドに特化した内容になっているのです。

ビンディングタイプは、シューズとペダルが固定されることでハードルが高くはなりますが、XCやエンデューロ、ダウンヒルなどのレースで活躍しているだけに、その効果は言わずもがな。

それぞれにMTBライドを楽しむための良さがあるので、乗り方に合った組み合わせを選んでみてはいかがでしょう。

 

専用シューズ&ペダルで快適ライドを!

MTBでオフロードライドを楽しむためには専用のシューズとペダルがおすすめです。「フラット」タイプと「ビンディング」タイプの特徴を紹介します。

MTB用
フラットシューズ&ペダル

ペダルにはシューズのグリップ力を高めるためのピンが配される。シューズのソールにはピンに食いつきやすく歩きやすいものが採用される。

Point
MTB初心者でも気負わず使えることや気軽に押し歩きできることが大きなメリット。いざというときにとっさに足を出しやすいという安心感も。専用のペダルとシューズを組み合わせることで悪路での安定感が増しますが、普通のスニーカーでも問題なく使える手軽さも魅力。少し上級になりますが、登りや下りなどシチュエーションによって好みの踏み位置に調整しやすいといった特長もあります。

 
MTB用
ビンディングシューズ&ペダル

シューズに金属のパーツ(クリート)を取り付け、ペダルの金具部分に固定する仕組み。ペダルを踏む力を効率よく伝えるソールが採用される。

Point
シューズとペダルが固定されることで足がずれることなく、ペダルをこぐ力を効率よく推進力に変えることができます。踏む力だけでなく引く(回す)力を使いやすいため足全体の筋肉をバランスよく使えます。「怖そう」と二の足を踏む人が多いですが、街乗りなどでいつでも足が外せる練習をすればすぐに慣れます。レースシーンでの愛用者が多いことからもビンディングにメリットがあることは明白です。

 

MTB用シューズ&ペダル ライド時のポイントはここ!

自転車のペダルは一般的に母指球の位置で踏むことが推奨されていますが、これはあくまで目安です。おすすめは、母指球と小指球の中間くらいの踏み位置。実際に乗って試しながら自分の踏みやすい位置に調整していきましょう。

前寄りで踏む

 
ペダルを効率よく回しやすいですが、踏み込む際にカカトが下がり気味になりやすいため注意しましょう。

 

後ろ寄りで踏む

 
ジャンプの着地や下りで安定しやすいですが、ビンディングの場合外すときに足首をひねりづらいので慣れが必要です。

 

ペダルを踏む向き

 
ガニ股や内股になっているとヒザや足首を痛めやすいため、ペダルをまっすぐ踏むことを意識しましょう。


 

ビンディングの固定力は調整できます
 

 

シューズとペダルが固定されるため初心者にとってハードルの高いビンディングですが、ペダル側でクリートの固定力を調整することができます。はじめは固定力を弱めた状態で練習すると安心です。

 

おすすめのシチュエーション

フラットシューズ&ペダル

 
はじめて行くトレイルや歩くことが多いルートではフラットタイプが便利です。ペダリングをして登ることの少ない常設コースで練習を繰り返すときにもおすすめ。慣れないうちは直感的に足を出しやすいという安心感は絶大です。

 

ビンディングシューズ&ペダル

 
長距離ライドやXCレースだけでなく、最近はエンデューロレースでも愛用者が増加。ペダリングはもちろん、荒れた路面で足がペダルから離れないことが安定感にもつながります。使い慣れればさまざまな場面で出番が増えそうです。

 

好みやシチュエーションで選びたい
MTB用シューズ&ペダルカタログ

MTBツーリングやトレイルライド、XCレースまで。さまざまなシーンにマッチするシマノのMTBシューズ&ペダルをご紹介。使い方や好みに合ったアイテムを選んで快適ライドを楽しみましょう。

 

フラットシューズ&ペダル

 

SHIMANO
ET3




価格:9350円(税込)
サイズ:36~48
重量:332g(サイズ42)
カラー:カーキ、ネイビー、グレー

ペダリング効率を高めるミッドソールを採用。ピンへの食いつきが良く山道でもグリップ力を発揮するソールと相まってMTBツーリングに最適。

 
SHIMANO
PD-GR500


価格:9136円(税込)
重量:535g
カラー:ブラック、シルバー

優れたグリップ力と長時間ライドでの快適性を提供する凹型プラットフォームを採用。高さ調整と交換が可能なピンが配置される。

 

ビンディングシューズ&ペダル

 

 
SHIMANO
MT5

 


価格:1万3200円(税込)
サイズ:38~48
重量:354g(サイズ42)
カラー:ネイビー、ブラック

ハイキングシューズと同様の歩きやすさを備えたオフロードツーリングシューズ。スピードレーシングシステムによりフィット感の調整が簡単。

 
SHIMANO
PD-ME700

価格:5374円(税込)
重量:540g

ペダルとシューズ間の安定感とパワー伝達を高めるワイドなプラットフォームが特徴。トレイルライドにもぴったりの両面SPDペダル。

 
SHIMANO
PD-M8120

価格:1万3537円(税込)
重量:438g

ペダルとシューズの接触部をワイド化し抜群の安定感を実現。スムーズな着脱が可能なトレイル・エンデューロ向けペダル。

 
SHIMANO
XC3



価格:1万6500円(税込)
サイズ:36~48
重量:332g(サイズ42)
カラー:ブラック、ネイビー

BOAダイヤルによる抜群のフィット感とペダリングテクノロジーを融合させた高性能XCレーシングシューズ。すっきりしたシルエットも魅力。
 
問:シマノ自転車お客様相談窓口
tel 0570-031961
https://bike.shimano.com/
 
イラスト:田中 斉
 

取材協力

タスサイクル
店長:福田さん

遊び方やテクニックのレクチャーからバイク選び&メンテナンス、カスタムについてのノウハウまで、MTBのことならなんでもおまかせ。マウンテンバイカーにとっての頼もしいサポーターです。

TAS CYCLE

茨城県つくば市東新井38-6
tel 029-896-8253
営業時間:13:00~20:00
定休日:不定休(スケジュールカレンダーにて確認)
http://www.taspark.com/

 

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