編集部スタッフの独り言コラム『カスタムする人も好き好き』

 

まず「英語での本来の意味は○○だから……」といった類の話は割愛させて頂き、ここでは日本語的発想のカタカナ語として、誌面上で使われている〈カスタム〉という言葉について少々。

辰巳出版から発行されている自転車誌では、自車のパーツを交換すること、フレームやパーツの色を塗り替えることから、どこかにシール(ステッカー?)1枚を貼る行為まで、総じて〈カスタム〉で統一しています。ちなみに『自転車日和』や『MTB日和』内のショップが組み上げたカスタムバイクの紹介の車両の中には、フレームから組み上げたものも含みます。フレームからともなると、さすがに〈カスタム〉という表現はちょっと乱暴な気もしますが、「オーナー好みのオリジナルの姿(または機能)を求める行為」をいう意味で、誌面上ではひと括りにさせて頂き、読者のみなさまにもなんとなくご理解頂いている次第です。

クルマ雑誌の世界では、外装系を主体とした既製のパーツを取り付けたり、交換したりすることを〈ドレスアップ〉と表現することも。衣服を着せるわけではないので、英語圏で育った方からは「??」「www」などの反応を受けそうですが、日本ではノー問題。また、切ったり、繋げたり、部分的に自作するような行為が含まれると〈カスタム〉になる傾向が強くなるのだとか。スポーツカーを主に取り上げる雑誌では〈チューニング〉や〈チューンアップ〉という言葉が使われますが、主に機能の向上を目的とした足まわりや吸排気系のパーツ交換、外装パーツについても軽量化や冷却効果、空力上のメリットを得られることが前提のようです。

もしかしたら『自転車日和』や『MTB日和』でもクルマ雑誌と同様、〈カスタム〉〈ドレスアップ〉〈チューニング〉のように、自転車のカテゴリーに応じて言葉を使い分けたら、もっとイメージが沸きやすいかもしれません。しかし自転車雑誌に限らず、専門誌にはただでさえ難しい用語や意味不明なカタカナが並びがちです。マニアには問題なくとも、『自転車日和』や『MTB日和』はスポーツバイク初心者やこれから自転車趣味を持とうと考えている人たちを優先させたムックなので、使う言葉も極力シンプルに、内容を含めて難度が上がり過ぎないよう心掛けております。それでも「もっと初心者にやさしい本作りを」とお叱りを受けること度々。

逆にマニアのみなさまからは「もっとマニアックな内容にしてほしい」という声が寄せられています。ですよね。ごめんなさい。「ちょっと知っている人には読むべきところはない」と評価を頂いたこともあります。でも、私たちはネットで情報を集めるのが不得手な人、はじめて自分の手でタイヤに空気を入れようとしている人のお役に立ちたいのです。もちろん、マニアのみなさんの声はちゃんと届いています。いつの日か、読者のみなさん全員に納得して頂ける、編集者が暴走して作れる本を……通らんな、その企画。

すっかりタイトルから内容がかけ離れてしまいました。なぜ〈カスタム〉を今回のテーマに取り上げたか? 本日のマイ通勤車、ブレーキの効きがさっぱりでして。さて、どうしましょう。ブレーキシューの交換、ブレーキケーブルの交換、ブレーキキャリパーの交換、ブレーキレバーの交換etc。あれこれ考えながら新宿の編集部まで辿り着いたのですが、欲を出すと切りがない。財布の中には札がない。日頃は「効きの悪いブレーキは危ないので、すぐに交換するべき」と説いていますが、今回は画期的な解決方法をひとつ。

“走る速度を効かないブレーキに合わせる”

速度はU10(km/h)をキープ、急な下り坂は回避する。つまり、時間の制約がなければ、ブレーキの効きのよし悪しなど問題にもなりません。通勤というを自転車散歩を楽しみつつ、のんびりゆらゆらと帰りましょう(カスタムプランを練りながら)。


 

Profile

編集 トライジェット
MTBや小径車などを複数台所有する『MTB日和』&『自転車日和』編集スタッフ。「自転車はスポーツの道具ではなく移動道具」と割り切り、都内近郊の路地や暗渠(あんきょ)、山道の散策を楽しむ自称ロジラー。

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