知っているようで実は知らない いまさら聞けないMTB基礎講座 第1回 〜変速編〜

さまざまなテクノロジーを1台のスポーツ自転車に凝縮したメカニズムの集合体、それがMTB。普段、なにげなく乗っているMTBですが、操作方法ひとつとってみても、よくよく考えてみるとちょっと自信がない……そんな貴方をこっそりサポートするこちらのコーナー。初回はシフティングをテーマに取り上げてみます。
 

変速操作が上手になれば走りの質が一気に向上!?

MTB初心者の方も、長くMTBに乗られているベテランのみなさんも、一緒に思い返してみてください。変速操作をいつ、だれから、どのように習いましたか?

ペダルを回しながら、シフターのレバーを押し込む……一見、シンプルな動作に思えますが、MTBの場合、斜度や路面の状況が目まぐるしく変化するような場所を走ることも多く、レバーを押すタイミングやペダルを踏み込む足の力加減で走りに差が出てきます。

タスサイクルの福田さんによれば「ベテランの方の中にもシフティングがあまり上手くない、雑というか乱暴な人を見かけます。

まずは〈カッチン〉→〈カシャン〉、〈カッチン〉→〈カシャン〉とテンポよく、1段ずつ操作する、ていねいなシフティングに立ち返ってみてはいかがでしょう?」とのこと。

また「正確なシフティングには、シフターの位置や角度の調整が欠かせません。手の大きさや指の長さは人それぞれですから」とセッティングの重要性についても教えていただきました。
 

アナタはこんな乗り方していませんか? シフティング関連NG集

「まさか、そんなことするわけない」と顔は笑いながらも、心の中では「え? なんでなんで?」とドキドキしている貴方。正しい操作方法を覚えましょう!

立ちこぎした状態で変速操作する

変速中にチェーンやギアから「ガリガリ」「ゴリゴリ」と音がするようであればちょっと問題。変速時は足を回しながらも、ペダルを踏み込む足の力を瞬間的に抜く必要があります。踏む力を抜きにくい立ちこぎ中の変速は上級者向けのテクニック。変速操作に慣れるまで、初心者は控えたほうが安全かもしれません。

 
停車中にシフトレバーを操作する

停車中なので、当然クランクは回っていません。ギアにチェーンが固定されたディレイラーが動きづらい状態でシフトレバーを押し込めば……ワイヤーが伸びたり、シフター内部のパーツに負荷がかかったりする可能性も。外装式の変速機構を搭載する車両では、必ず足を回している状態で変速操作をおこないましょう。

 
クランクをグルグルと逆回転させる

ロー側のギアにチェーンが掛かっているときは、チェーンラインが斜めになり各コンポーネントにストレスを与えがち。むやみにクランクを逆回転させる行為は、ディレイラーを傷める原因になりかねないので控えましょう。ただし、ペダルの位置を整えるときなど、半回転以内で軽く戻す程度であれば問題なし。
 

重すぎるギアの選択は腰痛を招く!?

クロスバイクなど、街乗りメインの自転車からMTBに乗り換えた人にありがちな〈重いギアでペダルを踏む=速く走れる〉という誤解。速く、疲れないように走りたいのであれば、適正なギア&適正な回転数で走るのがベストです。重すぎるギアは腰痛の原因となることもあるので要注意!

トレイルライドで役立つ 変速操作の基本テクニック

ここではトレイルでもっとスムーズに、もっと楽しく走るためのテクニックをご紹介。正確な変速操作で適正なギアを選択できれば、体力だって温存できるんです。

変速操作で差がつく下りからの登り返し

下りで足が空転しないよう、下りに入る前にあらかじめ重めのギアに変速しておく。ペダリングで加速しながら、惰性を利用してそのまま登りを駆け上がる。登りで速度が落ちてきたら、ペダルを踏む力を一瞬抜いて、一気に軽いギアへとシフトチェンジ。ある程度、速度を維持したまま流れるように登り切る。
 
いつもより1段重いギアでじんわり登る


下りの惰性を利用できない登りでも、初めから軽いギアを選択して、超高回転で足を回すような登り方はNG。無駄に体力を消耗してしまう上、推進力不足で走りが不安定になることも。特に「後輪が空転して停まってしまう」という人は要注意。1段重いギアに変速して、じんわりと粘り強く登る習慣を身につけたい。

 

大前提!


◎変速操作はなるべくていねい&静かにおこなう

◎変速時にはペダルを踏み込む足の力をスッと抜く

 

独自のテクノロジーでシーンの未来を切り開く シマノの変速系コンポーネンツはここがスゴイ

シマノのコンポーネンツ群には、数多くの先進テクノロジーが採用されています。ここでは、より正確かつスピーディな変速操作を可能とする、そのテクノロジーひとつひとつをチェック!

HYPERGLIDE+
ハイパーグライド+

カセットとチェーンのデザイン変更によって変速に必要な時間が1/3へと短縮。ペダリングの変速ショックも大幅に軽減され、さらにスムーズなライディングが可能となった。

採用グレード:XTR、DEORE XT、SLX、DEORE

「速くてやさしい変速操作をサポート!」

 
DYNAMIC CHAIN
ENGAGEMENT+

ダイナミックチェーンエンゲージメント+

シングル用のチェーンリングには、凹凸の多い地形でもチェーンが外れにくいよう特別に設計された歯を採用。ギアとチェーンがしっかり噛み合うことで、摩滅や摩耗も低減。

採用グレード:XTR、DEORE XT、SLX、DEORE

「激しく走ってもチェーンが外れにくい!」

 
SHIMANO
SHADOW RD+

シマノシャドーRD+

リアディレイラーにはスタビライザー機能を搭載。チェーンの張りを高めることでチェーンが暴れにくくなり、チェーンの脱落や車体への傷つきを防ぐ上、静かな走行を実現する。

採用グレード:XTR、DEORE XT、SLX、DEORE

「静かに走れて愛車に傷がつきにくい!」

 
RAPIDFIRE+
ラピッドファイヤー+


人差し指で引く、親指で押す、どちらのレバーでも変速できる2ウェイリリース機能を装備したシフター。ひと押しでギアを3〜4段分軽くできる(XTRとDEORE XTのみ最大4段)、登り場面で便利な機能を搭載する。

採用グレード:XTR、DEORE XT、SLX、DEORE

「ひと押しで一気にギアを軽くできる!」

 
I-SPEC EV
アイスペックEV

乗り手の指の長さや好みに合わせて、最適なレバー位置&角度を実現するとともに、ブレーキレバーとシフターを一体化させることで、ハンドルまわりをスッキリまとめられる。

採用グレード:XTR、DEORE XT、SLX、DEORE

「正しい変速操作は適正なレバー位置から!」

 
問:シマノ自転車お客様相談窓口
tel 0570-031961
https://bike.shimano.com/

イラスト:田中 斉

 

取材協力

タスサイクル
店長:福田さん

遊び方やテクニックのレクチャーからバイク選び&メンテナンス、カスタムについてのノウハウまで、MTBのことならなんでもおまかせ。マウンテンバイカーにとっての頼もしいサポーターです。


TAS CYCLE

茨城県つくば市東新井38-6
tel 029-896-8253
営業時間:13:00~20:00
定休日:不定休(スケジュールカレンダーにて確認)
http://www.taspark.com/

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