写真と文:星野哲哉
今回行ってきたのはココ!!
荒川・利根川・江戸川ぐるっと一周ライド
関東地方の自転車乗りのメッカ。荒川・利根川・江戸川サイクリングロードを結ぶルート。総距離約200kmをほぼ信号なしで走ることができる。今回は途中でショートカットしたため、約165km走った。
一年の走り納めということで
ツールド関東(?)にチャレンジ
1月になってもオープンできないスキー場があるほど、今年の冬は暖かい日が続くが、それでも冬は冬。どうしても自転車に乗るのが億劫になってしまう。
前号の【自転車日和】が発売された後に自転車に乗ったのは、サッカーを見にスタジアムまで行った時ぐらい。
「まずい。このままでは次の【自転車日和】に書くネタがない(汗)」焦っているうちに時が過ぎ、次第に締切が近づいてくる。
そういえば、私には前からやりたいと思っていたことがあった。関東地方の代表的なサイクリングロードである、「荒川CR」「利根川CR」「江戸川CR」を結んでの、ぐるっと1周サイクリングだ。総距離約200㎞。
12月になってくると耳にする、「◯◯納め」という言葉にちなんで、「これを2015年の“走り納め”にしよう!」ということで、さっそく計画を立ててみた。
まずはコース。荒川と江戸川、江戸川と利根川は、それぞれサイクリングロードが接続しているので問題なし。
残るは荒川と利根川だ。これらは直接つながっていないので、一般道を通らなければならない。
ネットなどで調べてルートを検討した結果、比較的交通量が少ないと思われる、吉見総合運動公園と利根大堰を結ぶ武蔵水路沿いのルートを通ることにした。
次は、走る方向。ここで考えたのが、終盤に疲れたり日没になったりして、途中でヤメたくなった場合のこと。
スタートは荒川の岩渕水門付近なのだが、先に下流へ走った場合、終盤は利根川から荒川上流を走ることになる。ここからは家まで遠く、ヤメるのも容易ではない。
逆に先に上流を走った場合、終盤は江戸川から荒川下流を走ることになるので、ヤメたくなった時に江戸川の途中だったらショートカットすればいいし、荒川に入っていても河口から家までは20 ㎞程度なので、これならなんとかなる。
また、上流付近より下流付近の方が街中なので、万が一日没を迎えても一般道を通れば街灯が多くて走りやすい。ということで、上流方向へ走ることにした。
最後に、スタート時間。日没までには走り終えたい。
ちなみに今までに200㎞を走ったのは、佐渡島一周を走るイベントの “佐渡ロングライド”のみ。その時の走行時間はおよそ11 時間だった。
当日の日没時刻は16時30分。ここから逆算すると、スタート時刻は5時30分に決まった。
冬に走るのはやっぱり寒い
防寒対策はしっかりしよう
そして迎えた当日。4時半頃に目が覚め、ウエアや持ち物の準備をする。ウエアは、なんといっても冷え対策が重要なので、インナー・ジャケット・タイツ・ネックウォーマーなど、持っている冬用のものをフル装備する。
持ち物は、携帯工具やスペアチューブなどの工具類をサドルバッグに、補給食の類は背中ポケットに入れて出発!あっ。前日に妻が握ってくれたおにぎりも忘れずに(笑)。
まだ真っ暗な中、荒川へ向かう。荒川CRに入ると、そこは闇の中。道を照らす明かりがまったくないため、自転車のライトだけが頼りだ。走り慣れた道だが、暗い時間に走るのは初めて。あまりスピードを出さず、慎重に走ることにした。
それにしても、こんな朝っぱらから、意外と人がいるもんだ。ランニングをする人。自転車で走る人。中にはTTバイクでかなりのスピードで走っている人も。怖くないのだろうか?まあ、こっちは長丁場。抜かれても気にせず、マイペースで行くことにする。
約50㎞走り、8時頃に吉見総合運動公園に到着。管理事務所が開いていたので、ここで最初の休憩を取り、持ってきたおにぎりを食べることにする。見事にキンキンに冷えていた(笑)。ここから荒川を外れて、利根川方面へ向かう。
荒川に比べて利根川CRは、周りに何もなく人も少ないので寂しい。途中、加須サイクリングセンターというところに寄ったけれど、これといって何もない。持ってきたジェルを消費して、先を急いだ。
12時半頃に、江戸川CRと交わる関宿城に到着。ここまで約100㎞。予定した距離の半分だ。近くの食堂で砂をかむように昼食をとった。
江戸川CRを走ってしばらくすると、空気がヒンヤリしてきた。天気予報では、夕方以降はところによって雨が降るということだったので、どうやら寒気が来たようだ。
やがて、ポツリと水滴が落ちてくる。まだ本降りにはなりそうもなかったものの、次第に寒くなってきて疲れてきた。
「このへんで潮時かな?」ということで、まだ14時半頃だったけれど、三郷でコースアウトして、自宅方面に向かうことにした。
それでも走行距離165㎞と、なかなかのロングライドだった。それなのに、なんだろう、この感覚。達成感ではなく、淡々とした感情しか湧いてこない。
理由は、景色が単調でコースも平坦だったから?それとも、なんだかんだ家の近所で、旅の要素もなかったから?もしくは、寒くて走りを楽しむどころではなかったからか……。
結論。やっぱり自転車は、春か秋に乗るのが一番(笑)。一年で最も日が短い冬至のあたりだったこともあり、走れる時間もあまりなかったし。このままじゃ悔しいので、春になったらまた挑戦しようかな?
Profile 星野哲哉
『自転車日和』vol.39より抜粋