写真と文:星野哲哉
今回行ってきたのはココ!!
淡路島を一周してきました
瀬戸内海に浮かぶ「淡路島」は、国土創生の神、伊奘 諾尊(いざなぎのみこと)・伊奘冉尊(いざなみのみこと)が最初に産んだという島で、日本の始まりの地とされている。一周150kmあり、関西地方のサイクリストが多く訪れることでも有名だ。今回はそんな島を走ってきました。
朝の出遅れからパンクまで
国生み島はトラブルも生む
自転車に乗ったら、一度はやってみたくなるのが、〝◯◯一周〞ではないだろうか?湖一周や島一周、行き着く先は、日本一周。さらには、世界一周も!?
というわけで今回は、淡路島一周通称〝アワイチ〞をしてきました!さすがに日本一周はね……(汗)。普通のサラリーマンなもので。
【淡路島への行き方】
自動車で行く
フェリーで行く
土曜日に西明石駅前のホテルに宿泊し、翌朝明石港からフェリーに乗って淡路島に上陸するというのが、今回の計画。土曜日に神戸で行われるサッカーの試合に合わせて予定を組んでみました……。
そして当日。帰りの新幹線を考えると、18時には帰りのフェリーに乗りたい。一周は約150㎞。自分の走力は1時間で20㎞くらい。
これに食事や土産の購入などで1時間をプラスすると、朝のフェリーは9時までには乗りたかったのだが……。
あろうことか前日サッカーの試合後に呑みすぎてしまい、ホテルのチェックインが痛恨の深夜0時という事態に!
朝の目覚めもスッキリせず、グダグダと準備をしていたら、結局フェリーに乗ったのは10時。予定より1時間も遅れてしまった。
気をとり直して、いざアワイチ出発!スタートは島の北部。ここから島の東岸を南下する。
【淡路島での走り方】
時計回りに走ろう
疲れたらショートカットも!
スタートして40㎞ぐらい走り、洲本という淡路島最大の街を過ぎて島の南部に入ると、アップダウンが激しい道が増えてくる。峠のヒルクライムのような長い距離はないが、斜度が急な道が多いため楽には登らせてくれない。
荷物を背負わずに、フェリー乗り場のコインロッカーに預けておいて良かったと、心から思った。
アップダウンが落ち着き南岸沿いの道に出ると、建物も何もないのどかな風景が広がる。「これぞ島」という感じだ。
そこからもうひと山越えた先に、いかにも自転車乗り向けの休憩所を表すノボリが見え、「淡路島カレーあります」的な看板が立っていた。
昼食を取るのにちょうど良いと思い入ってみた。
玉ねぎ1個をまるごと煮込んだという淡路島カレーを注文。待っている間、店内を見回すと、ロードバイクが乗った3本ローラーが置いてあり、棚には人気自転車マンガの単行本が並んでいる。
この時は自分ひとりしか客がいなかったが、普段は自転車乗りで賑わっているそうだ。明石からフェリーでやってきて〝アワイチ〞をすると、この辺りがちょうど中間地点らしい。
宿泊施設も備わっているので、余裕を持って一周するなら、ここで一泊して翌日残り半分というのも良いかもしれない。
カレーを食べ終わり店を出て出発しようとしたら、リアタイヤの空気が抜けていることに気づいた。ただでさえ、時間が押しているのにパンクとは……。嘆いていても仕方ないので、チューブの交換に取りかかる。
ここで不幸中の幸いだったのが、このお店、サイクリストをサポートしてくれているだけあって、空気入れが備わっていたのだ。
携帯用ポンプだと、十分な量の空気を入れるのが大変なので、これは助かった。
【サポート体制が充実している】
サポートしてくれる店も
コンビニにはバイクラック
気を取り直してスタートしたが、帰りの時間が心配になったので、完全な一周をすることをあきらめた。
一周をするなら、店を出て左に進まなければいけないのだが、右へ進んだ。島の左下部分をショートカットすることにした。
とは言ってもまだ残り60㎞ぐらいある。寄り道をせず黙々と前に進む。ここまでなるべくこまめに補給を取っていたが、それでもやはり疲労が出てくる。
そんな中、前半向かい風基調だった風が、進行方向が反対になって、追い風気味に変わったのが助かる。
帰りの道は、サンセットラインという道を走る。沈みゆく太陽と、どっちが早いか競争するように帰路を急ぐ。
17時10分頃、フェリー乗り場手前の、道の駅あわじに到着。
明石海峡大橋を眺めながら、明石焼きを食べ、土産を購入して、フェリー乗り場へ向かう。最終的な走行距離は、およそ130㎞。
一周には20㎞ほど足りなかったことになる。ちょうど朝出遅れた分だ。自分の走力は嘘をつかない。ある意味、計画通りか!?
Profile 星野哲哉
『自転車日和』vol.43より抜粋