弊誌スタッフのやってみたこと、試したことの実録レポート。「MTB日和」ならではの、バラエティに富んだトピックでお届けします。お茶のおともにでもしていただければ幸いでございます。
ベース車両:DAHON Dove Plus
折りたたみ車の大半は、サイズ展開がない上、ステムの交換も気軽にはできません。自分の体格に合わないと、腰痛を引き起こす原因にもなりかねない……そこで重要になってくるポジション出しのカスタム。今回はハンドルを交換してみました。
得るものあれば失うものも表裏一体の自転車カスタム
ハンドルポストを前傾させることで、14インチの折りたたみ車らしからぬスポーティな乗車姿勢が可能となるダヴプラスの初期モデル。現行車はポストの角度が変更され、小柄な女性でも無理なく扱えるコンフォートな設定に変更されましたが、手長な当方は初期モデルでも上半身がやや詰まり気味。
そもそも長距離走行を前提としたモデルではありませんが、乗車姿勢は自然であるにこしたことはありません。これまでも「ハンドル位置をもう少し前方に移動できたら」とぼんやり考えていました。
そこで見つけたのがこちらのハンドルバー。ノーライズなので折りたたみ時にもほかの部位と干渉せず、ノーバックスイープなのでまんまリーチを稼げる、というダヴプラスに打ってつけのアイテムです。重量はちょっとばかり増加してしまいますが、そこは目を瞑りましょう。
NITTO B201AA
問:日東 http://nitto-tokyo.sakura.ne.jp/
上がノーマルのハンドルバー。完成車のスペックシートに記載がないため、公称値は分からないが重さは実測で135gと軽量。
バックスイープがあるため、グリップ位置がクランプ位置から15mm程度、手前にオフセットする。
下はニットーのB201AAで重さは210g。重量は75gほど増加するが、リーチはノーマル比で約50mm、稼ぐことができる寸法だ。
問題発生
ノーマルグリップの感触が気に入っていたのでそのまま流用するつもりだったが、ブレーキレバーのクランプ位置からバーエンドまでの距離は最大で105mm。泣く泣くショートタイプのグリップに変更。
いざ、実走行!
乗車ポジションはご覧の通り、いい感じであります。ステム長で考えればざっくり、5cmも長いアイテムに交換した計算です。上半身の詰まりが解消され、これならば長時間の走行にも耐えられそうです。
ただし、車体のフロントセンターが伸びたわけではありません。お腹の力を緩めてしまうと、従来よりもハンドルに体重がのし掛かり、極端な前輪荷重になりがち。
また、ハンドルバーの形状が変わっていることから、ハンドルポストのクランプにもストレスが掛かっています。
よって乗車前の車両チェックを含め、これまで以上に気持ちと体を引き締めて走る必要がありそうです。
編集 トライジェット
『自転車日和』vol.58(2021年5月発売)より抜粋