「自転車日和」スタッフが提案する 自転車散歩のススメ

 

路地好きのロジラーとして日々、路地を見つけては後先考えずに入り込んでいく編集スタッフ。遠まわりしてでもその出口を確認せざるにはいられないこの性分、どうすることもできません。読者のみなさまのお役に立つかは??ですけど、ここでその日常をちょっとだけご紹介。

 

ボーっと走っているだけで見つかるものもあります

ほぼ原則
1.BGMは鼻歌
2.走りたいときだけ走る
3.なるべくお金は使わない

昨日もボーっと走っていて、曲がるつもりだった辻を随分と過ぎてしまいました。もちろん、前方はしっかり見ながら走っていますよ、危ないので。

きた道をそのまま戻るのもなんだか損した感じになるので、そのまま遠まわりしながら帰ることにしました。

すると曲がる度に行き止まり。繰り返すこと3連チャン。比較的、自宅と近いエリアだったにもかかわらず、です。

「まだまだ知らない道がたくさんあるなぁ」などと感心しながら予定外の自転車散歩に興じていると、時計の両針が共にてっぺんを指し。

それでもちょっと得した気分になるから不思議です。アポイント有りの往路だったらこうはいきません、絶対。
 
夜は時間がゆっくりと流れていて、通常の移動では目につかないような文字がやたらと視界を遮ります。

この日、見つけたのはクラシックバレエのスタジオ。シニアクラスもあるみたいです。さて、どうしたものか。
 

最近、お気に入りの自転車散歩道

興味のある方はぜひ付近を散歩してみてください。

都内の路地は数十mほどで終わるものが大半ですが、この中野1丁目の路地は400mほどつなぐことができる希有な存在。途中、お稲荷さんがいらっしゃるあたりもポイント高いし。

 

再開発が進む北新宿エリアに残された路地は昭和感たっぷりでロジラーにとって宝もののような場所です。そのまま神田川の沿道とつなぐもよし。自転車散歩の想像力も膨らみます。

 

編集部のある新宿2丁目からほど近い新宿6丁目&7丁目付近は路地の宝箱。井戸水を組み上げるポンプが点在しているのもこの辺りの特徴です。フォトジェニックな風景に出会える?

 

暗渠道もロジラーの大好物。神田川歌碑のある小淀から阿佐ヶ谷のけやき公園まで続く桃園川緑道(杉並側は自転車乗り入れ禁止)、その延長にも魅力的な暗渠道が続いています。

 

最近、お気に入りのより道ポイント

桜並木に囲まれた中野通りを北上すると存在感たっぷりの建造物が目に飛び込んできます。かつて荒玉水道の配水のために作られたこの塔。いまはのんびりセカンドライフを満喫中?
 

西落合の住宅街を走っていると、突如として現れる真っ赤な鉃道車両。はじめて遭遇したときはドキドキでした。いまでも深夜に前を通過するときは、不思議な感覚に襲われます。
 

荻窪生まれ、中野育ちの当方が自転車散歩の途中で喉を潤すドリンクといえば、知る人ぞ知る中野の地サイダー。購入先は築77 年の店舗がすてきな酒屋さん。中野の地ビールもアリ 。
 

神田川の沿道に立ち昇る白い煙とほんのり漂う海草を煮ているような香り。ここは創業100年余の寒天工房。きれいに化粧直しされた縁側で頂くお母さんこだわりのあんみつはサイコーです(季節限定の桜あん)。
 

happening

階段

乗ったままいけそうな階段だったとしても大人ですからね、そこは我慢ですよ。担いで降りるもまた一興。
 
行き止まり

道の先がなくなっていてもガッカリしません。そして、すぐに忘れて同じ場所で同じ過ちを繰り返します。
 
未舗装路

路地を曲がるとダート、舗装路の途中からダート。自転車散歩では稀に見られるシチュエーションです。
 
急坂

変速付きのときはそこそこがんばる。シングルスピードのときは迷わず押す。距離は短めのやつでお願いします。
 

ロジラー的〈あったらいいな〉 自転車装備

スタンド

なにかを発見してはすぐ立ち止まるロジラーですから、自転車は単体で自立してくれると助かります。
 
カゴ

冬は寒がり&夏は汗っかきのロジラーですから、上着をわさっと放り込めるカゴがあると活躍します。
 
カギ

いつもお腹を減らしているロジラーですから、おいしそうなものを見つけては買い込みに走ります。
 
ライト

夜の自転車散歩も満喫したいロジラーですから、灯火類は安全上、欠かすことのできない装備っす。
 

自転車散歩道でよく出会う動かない生きものたち

ライオン

 
スズメ

 
イヌ

 

文:トライジェット 写真:奥村純一
『自転車日和』vol.51(2019年4月発売)より抜粋

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