1975年に創設者のアンドリュー・リッチーの手によって発明された、他に類を見ない画期的な折りたたみ機構を持つ小径自転車、ブロンプトン。そのフラッグシップ車としてラインアップに加わったオールチタンフレーム&カーボンフォーク仕様のTラインアーバンがついに日本上陸、9月1日から国内23店舗の取り扱いディーラーにて販売が開始される。
1stモデルから現在に至るまで、ほぼ変わらない設計を採用しているブロンプトンだが、このTラインアーバンも基本設計はこれまでのモデルと大きく変わらない。しかし、逆に言えば変わらない点はトラディショナルなシルエットと秀逸な折りたたみ機構のみ。フレーム、フォークはもちろん、ホイールからハンドル、シートポストまで、すべてがTライン専用のパーツで構成されている。
ひと足早く発売されたイギリスではシングルスピード仕様と4段変速仕様が用意されているが、日本で発売されるのは4段変速仕様のみ。変速装備のみならず、フロントバッグ用のアダプター、前後の泥除けを標準装備しながらも、その車両重量は7.95kgと超軽量。
グローバル・コミュニティ責任者のピーター・ユスカウスカス氏によると「軽さではシングルスピード仕様が勝るが、世界的に見ても4段変速仕様の方がポピュラーであり、アップダウンのある道での優位性は圧倒的です。装備面も充実しているため、日本での使用に最適だと判断しました」とのこと。
片手で持ち上げられるほど軽量化されたTラインだが、フレーム素材にチタンを用いることでオールスチール製フレームのCラインより37%も軽く、かつ強度の維持にも成功している。多様な路面状況に耐えうるタフさやロングライフ性については、従来モデルからも想像するができる。
リアフレームおよび4段変速システムに関しては先に上陸済みのPラインと同様で、ギア比は過酷なシチュエーションで知られるアムステルダムやサンフランシスコでテストを繰り返した設定に。市街地での使い勝手のよさは約束されている。
フォーク、クランク、ハンドルバー、シートポスト、サドルに至るまで、各部のパーツにカーボン素材を採用することで、徹底的に軽量化を図ったTライン。このチューンアップによって車体剛性が高まり、ステアリング操作やペダリングに対する反応性も向上させた。スポーツバイクさながらの走る楽しさまで手に入れたブロンプトンのTラインアーバン。まさしくスポーツフォールディングの究極形と言えるモデルだ。
7月27日に、代官山T-SITEにて、「T Line Urban」の日本初上陸を記念したお披露目イベントが開催された。
BROMPTON T Line Urban
価格:77万5500円(税込)
【T Line Urban 商品仕様】
メインフレーム / ハンドルバーステム / リアフレーム | チタン素材 |
フロントフォーク / ハンドルバー | カーボン素材(ハンドルバーはMid & Lowの2種類の展開) |
グリップ | スーパーライトロックオンフォームグリップ |
ペダル | CNCアルミニウムを採用したスーパーライトペダル(折りたたんだ際に左側のペダルは取り外し可能で、フロントフォークに備えられたマグネット式のペダルホルダーに装着可能) |
クランクセット | スーパーライトカーボンクランクセット(中空BB30アクスル、50Tチェーンリング) |
ボトムブラケット | FSA Mega Evoを採用 |
スプロケット | 4 speed, 11-13-15-18T |
シートポスト | カーボンコアを0.3mmのスチールで覆ったスーパーライトシートポスト(スタンダードな長さで股下最大84cmまで対応) |
サドル | スーパーライトカーボンサドル(ライトの取り付けマウントと、持ち運びのしやすいキャリーハンドル内臓) |
ペンタクリップ | スーパーライトペンタクリップ |
シートクランプ / ヒンジクランプ | アルミ削り出し、アルマイト処理のマットブラック仕上げ |
フロントホイール | 軽量リム、ダブルバテッドスポーク、シールドベアリングと5mmの六角レンチアクスルを備えたアルミニウムハブ |
リアホイール | 軽量リム、ダブルバテッドスポーク、アルミニウムハブと4速フリーハブボディ(5mm六角レンチで着脱可能) |
タイヤ | Schwalbe One Black |
チューブ | Tubolito S-tubo チューブ(34g / フレンチバルブ) |
ライト | 前後リフレクター付き |
マッドガード(泥除け) | 標準装備 |
フロントキャリアブロック | 標準装備(別売りのBromptonのバッグを装着可能) |
ポンプ | 付属無し ※単品商品として別売り展開有り |
重量 | 7.95kg |
折りたたみ時のサイズ | 645mm (H) x 600mm (W) x 320mm (D) |
※商品の仕様は予告なく変更となる場合がありますのでご了承ください。
【T Line Urban 取り扱い店舗】
BROMPTON JUNCTION KOBE
believe
Bici Termini
GREEN CYCLE STATION
LIFE with BICYCLE Daikanyama
LORO CYCLEWORKS
LORO CYCLEWORKS FUKUOKA
LORO CYCLEWORKS KYOTO
LORO CYCLEWORKS ONOMICHI
LORO CYCLEWORKS YOKOHAMA
LORO SETAGAYA
LORO SLOW SPOT
Y's Road・上野本館
Y's Road・新橋
Y's Road・新宿クロスバイク館
Y's Road・船橋
Y's Road・大阪本館
Y's Road・池袋本館
Y's Road・名古屋本館
じてんしゃひろば遊
秀岳荘白石店
サイクルハウスしぶやお花茶屋店
和田サイクル
※各店舗の詳細はこちら
https://jp.brompton.com/find-a-store
ブロンプトンに20年乗り続けている編集部ヨコキがグローバル・コミュニティ責任者のピーター・ユスカウスカス氏に質問しました。
■グローバル・コミュニティとは、どのようなことを行なっているのですか?
「世界中でコミュニティを育成することを担当しています。新しいコミュニティに入ることで新しいアイディアが生まれます。コロナ後、みなさん旅にでかけたがっていますが、ブロンプトンオーナーは国境を超えてつながることができるので。たとえばロサンゼルスに行ってコミュニティライディングをするとか。
ほかにも、どうやって環境に貢献していくかなども考えていますが、そういうアイディアはコミュニティを通して得られることもあるので、各国のさまざまなコミュニティをどうやってつなげていくかも課題です」
■今回発表になったTラインは、世代的には第何世代になるのでしょうか?
「Tラインと、それと同様のPラインのリアフレームについてはMark 6の位置付けになります」
■昨年のブロンプトンジャパン設立の発表会では、直営店オープンの計画があり、その店舗のみでの販売となりそうだとうかがっていましたが、23店舗での販売となった経緯を教えてください。
「Tラインに関しては新たに工場もつくり、かなり開発に時間をかけたので慎重に考えていました。はじめは限られた台数しか販売しない予定でしたが、クオリティに自信が出てきたのでここまで広げることができました」
■限定モデル「Archive Edition(アーカイブエディション)」はシルバーパーツを採用して、内装3段変速やハブダイナモライト、リアキャリアを装備するなどオリジナルの仕様に基づいたものとなっていますが、レギュラーモデルでの3段変速モデルはもう作らないのでしょうか?
「ブロンプトンは世界的にみて6段変速がいちばん人気があります。3速と6速では重量もそれほど変わりませんが、6速はギアの幅広く、速く走ることにも坂を楽に登ることもできます。なので、いまは6速をフォーカスすることを考えています」
昨年、シングルスピード仕様のOneに試乗した際に、その重量(7.45kg)からくる軽快な走行感と、折りたたみ自転車だと忘れそうな剛性感に衝撃を受けましたが、それはT Line Urbanも同様。20年乗っているブロンプトンとは、明らかに違うシャッキリした印象に心が踊りました。
外装4段の変速もスムーズでストレスなし。フォルムはしっかりブロンプトンなのに、車体各部の作り込みはこれまでとはまったく違って近代的。個人的には、見た目もお値段もかっこ良すぎて手が出せませんが、オーナーになる方がうらやましい!
初回の国内入荷は90台。すでに完売のショップが多いようですが、抽選販売を行うところもあるようなので、気になる方は取り扱いショップへお問い合わせください。