知れば知るほどおもしろい ちょっと深堀りMTB シューズ&ペダル編

これからMTBに乗り始める人をフォローする基礎知識に加え、すでにMTBライフを楽しんでいる人が仲間を誘うために役立つような情報もお届け。MTBに関するあれこれを、ちょっぴり知った気分になれるコーナーです。

MTB周辺のアイテムは専用品を選んでいますか?

MTBに興味を持った人だけでなく、家族や友人にMTBの魅力を知ってもらいたいという場合も、入り口のハードルは高すぎないようにしたいもの。

たとえば友人をMTB体験に誘うなら「動きやすい服装とスニーカーで大丈夫」というくらいの気軽さが足を踏み出しやすくします。まずは乗る機会を作って、その楽しさを味わってもらうことがなによりも大切です。

愛車を手に入れてライドを重ねていくと、専用アイテムの存在が気になってくるものです。とくに、多くのマウンテンバイカーが専用シューズを愛用していることからもわかるように、ライドを支える要といえるのが足元。

ステップアップへの基本動作「プッシュ(ペダルを踏み込む動作)」の際には、あらゆる場面でペダルをしっかり踏むことのできる安定感が欠かせません。MTB専用シューズならではのメリットはどこにあるのか? ペダルとあわせて、専用アイテムを選ぶ理由を探ってみましょう。

【MTBのシューズ選び】フラットシューズのメリットは?

自転車用のシューズには、一見普通のスニーカーのようなフラットシューズと、専用のペダルとセットで使用するビンディングシューズがあります。フラットシューズのメリットはその気軽さ。ロードバイクでビンディングシューズを愛用している人は別として、はじめてMTBに乗る際はフラットシューズを選ぶと安心です。

ちょっとしたMTB体験をするくらいなら履き慣れたスニーカーでOKですが、愛車を手に入れて「もっとMTBを楽しみたい」「上手に乗りたい」という欲が出てきたら、MTB専用フラットシューズの出番です。


滑りやすい路面や難度の高いコースなどでバランスを崩しても、フラットシューズはとっさに足を着けるため安心感につながります。


履き慣れたスニーカーが歩きやすいのはもちろんですが、MTB専用のフラットシューズも山での歩きやすさを追求しています。

MTB専用ではないシューズのデメリットは?

軽いトレイルライドくらいなら、ふつうのスニーカーでも問題はありませんが、テクニカルな専用コースなどを走るようになると不安や不満を感じるはずです。

ソールの凹凸が大きいとペダルのピンがかかりづらく、ここぞという時にペダルに乗せた足が動いてしまうことも。ピンが食いつきづらい素材の場合も同様に、安心してライドを楽しむことができません。


例えばMTBと同様に山道を走るトレイルランニング用のシューズの場合、ソールの凹凸が大きく、ペダルのピンがフィットしづらい。“とりあえず”スニーカーを使う場合は、ソールができるだけ平たいものがおすすめ。


コーナリングなどでペダルを踏み込んだ際に足がずれる不安や、段差の大きな場所などでペダルからシューズが離れてしまう怖さも。

MTB専用フラットシューズのメリットは?


ソールには柔らかさと耐久性を両立する素材やグリップ力を高めるパターンが採用される。ペダルのピンが食いつきやすいようMTBライドに最適化されているだけでなく、歩きやすさや泥はけ性も考慮される。


ペダルのピンがソールにしっかり食いつくことで不安定な地形やコーナリングでもしっかりペダルを踏み込むことができる。

丈夫なアッパー素材を採用し、つま先やかかと部分なども補強。さまざまな障害物から足を守ってくれる。

トレイルライドやアクションライドにおすすめのフラットシューズ&ペダル

SHIMANO GR5


価格:1万5730円(税込)
サイズ:39~45
カラー:ブラック
重量:350g(42)
★オンラインストア限定
https://shop-jp.shimano.com/

独自のアウトソールがペダルのピンをしっかりグリップしバイクコントロールを向上。快適な履き心地で歩行時もストレスフリー。

SHIMANO PD-GR500


価格:1万1606円(税込)
カラー:ブラック、シルバー
重量:535g

凹型プラットフォームが優れたグリップ力と快適性を実現。さまざまな地形やライディングスタイルに対応する。

【MTBのシューズ選び】ビンディングシューズのメリットは?

ビンディングシステムとは、専用のシューズとペダルを使い、双方を固定するシステムのことです。シューズとペダルが固定されることで「怖そう」というイメージを持たれがちですが、レースシーンで使用されていることからも使いこなせばメリットがあることは明らかです。

ワンランク上の走りを目指すなら挑戦してみてはいかがでしょう。街乗りなどでいつでも足が外せるように練習すればすぐに慣れます。


シューズとペダルが固定されることで、こぐ力を効率よく推進力に変えることができます。長距離・長時間のライドにも◎。

一般的なメリット

◉足がずれることがないため、最適な踏み位置でペダリングしやすい。
◉足を回す力を無駄なく使えるため効率の良いペダリングができる。
◉上記の結果、長距離・長時間のライドでも疲れにくい。

MTBシーンでのメリット

◉岩場や木の根など、地面からの衝撃がある場面でもシューズとペダルが離れにくく、安定したライディングが可能。
◉障害物を越える時などに、ペダルを引き上げることで車体のコントロールをしやすい。
◉ホッピングやリアアップなどの技がフラットペダルより簡単にできる。

ロードのビンディングシューズとの違いは?

ロードバイク用

高剛性ソールと大きなクリート(シューズとペダルを固定するパーツ)でペダリングパワーを効率よく駆動力に変えます。舗装路でのペダリング効率を重視しているため、ソールにラバーなどはなく歩くことが苦手です。


樹脂製の大きなクリートをソールに装着する。


凹凸のないソールにクリートを装着するため、歩きづらい。

MTB用

高剛性ながらも歩きやすさを考慮したソール形状で、オフロードでの使用に耐えうる耐久性の高さも特徴。ロード用と比べクリートは小さく、専用のペダルも含め、泥やほこりが詰まりにくい構造になっています。


金属製の小さなクリートをソールに装着する。


ソールにブロック部があるため、クリートが路面に干渉しづらく歩きやすい。

幅広いシーンにマッチするMTB用ビンディングシューズ&ペダル

グラビティ


シューズとペダルの接触面が大きいペダルを組み合わせることで、安定したライディングが可能に。

SHIMANO AM9

価格:2万4200円(税込)
サイズ:39~45
カラー:ネイビー
重量:424g(42)
★オンラインストア限定
https://shop-jp.shimano.com/

石や木の枝から足を保護するダウンヒルやエンデューロ向けシューズ。下り系ライダーに多い、後方側へのクリートの調整に対応。

SHIMANO PD-M821

価格:2万1705円(税込)
カラー:ブラック
重量:546g(ピンを除く)

耐久性に優れ激しいライディングにも対応する下り系ペダル。本体の厚みを抑え障害物との接触を軽減する。

XC


足を適度にホールドするアッパーと剛性感あるソールがペダリングをサポート。歩行時もしっかりグリップする。

SHIMANO XC3

価格:1万8810円(税込)
サイズ:38~45(オリーブ)、
36~48(ホワイト、ブラック)
ホワイト・ブラックはワイドサイズ有
カラー:ホワイト、ブラック、
オリーブ(オンラインストア限定)
重量:332g(42)
★オンラインストア限定(オリーブ)
https://shop-jp.shimano.com/

BOA L6ダイヤルにより調整のしやすさと抜群のフィット感を実現。ペダリング性能はもちろん歩きやすいソールパターンも魅力。

SHIMANO PD-M540

価格:1万1846円(税込)
カラー:ブラック、シルバー
重量:352g

装着がしやすい構造でオフロード走行時のストレスを軽減。泥抜け性にも優れる軽量ビンディングペダル。

サイクリング

SHIMANO MX1

価格:9680円(税込)
サイズ:38~48
カラー:ブラック、ブルー、レッド
重量:325g(42)
★オンラインストア限定
https://shop-jp.shimano.com/

ソックスのように柔らかいアッパーが快適なフィット感を提供。MTBでのサイクリングを楽しむためのビンディングシューズ。

XCシューズとグラベル向けシューズとの違いは?

写真はグラベルシューズRX6

一見違いがわかりづらいが、オフロードサイクリングに適したグラベル向けのシューズに対して、XCシューズは足場の悪い登り坂の押し上げまで想定したソールの形状に(スパイクピンの装着が可能なものも)。

障害物にヒットすることも考慮してつま先に保護機能も備える。用途によってはグラベルシューズを選ぶのもありだろう。

イラスト:田中 斉

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