東京サイクルデザイン専門学校の学生による「女性向け電動アシスト自転車」

東京都渋谷区にある日本初の自転車専門学校「東京サイクルデザイン専門学校」。

その自転車クリエーションコースの3年生が課題として毎年取り組んでいるのが「Working Bike Project〜学⽣が提案する働く⾃転⾞〜」だ。

例年は、サイクルモードインターナショナルにてその作品が発表されているが、今年はコロナ禍により発表の場が失われてしまったため、形態を変えメディア向けのお披露目会が開催された。

今回のテーマは「女性向け電動アシスト自転車」。
太陽誘電株式会社の協力により同社の開発する人と環境にやさしい電動アシストユニットを使用するという新たな試みがポイントとなった。

2クラスをそれぞれ3つのグループに分けた6グループによる作品が発表された。
各グループがターゲットとなる女性ユーザーをリアルに想定し、さまざまな角度から課題にアプローチ。コロナ禍ならでは発想もうかがえた。

各グループによる車両概要はこちら。

Aグループ
車両名称:HOULE(ウール)
コンセプト&ターゲット:デザイン系オフィスに勤務する20〜30代女性用の通勤SUV系車

Bグループ
車両名称:μ saf(ミュセフ)
コンセプト&ターゲット:一人暮らしをする20〜30代女性用の防犯自転車

Cグループ
車両名称:Carnation(カーネーション)
コンセプト&ターゲット:Uber Eats配達員をする40代女性向け自転車

Dグループ
車両名称:mocha(モカ)
コンセプト&ターゲット:アオハルライドー高校生〜卒業して二十歳ぐらいまでの女性向け車

Eグループ
車両名称:gazelle(ガゼル)
コンセプト&ターゲット:小柄なお母さん自転車―小柄でもスポーティなママへ

Fグループ
車両名称:Street Lady(ストリートレディ)
コンセプト&ターゲット:20代〜30代前半ぐらいまでの活動的で活発な女性の通勤用自転車

うねりのある1本のフレームデザインが印象的なAグループの「HOULE」。シートクランプレスのすっきりとした造形も特徴。

Bグループの「μ saf」。ヘッドチューブをスライドさせることで伸縮可能なフレームは、エレベーターへの収納等を考慮したもの。先端部に内蔵されるライトもポイント。

Cグループの「Carnation」。ハンドル前側の「触覚部」にバッグのショルダーをかける構造(下部のプレートがバッグを支える)。フレームと一体化しているため、バッグを設置してもハンドル操作に影響はない。

写真手前からDグループの「mocha」、Eグループの「gazelle」、Fグループの「Street Lady」。

「mocha」は荷物が多めの女子学生を想定。背負った荷物のバッグレストとして利用できる短めのキャリアやスクールバッグがすっぽり収まる前かごがポイント。

小柄なママを想定した「gazelle」。MTBをイメージしたシャープなフレームデザイン、子どもの乗せ降ろしをしやすい低重心設計や140mmという短いクランクが特徴。

「Street Lady」の特徴はスポーティな印象を崩さずに停車時のまたがりやすさを実現した直線的なシルエット。その名の通りストリートファッションにもマッチしそうだ。

mochaのバッグレスト。足つきを考慮しシートチューブを短めに設計。

gazelleにチャイルドシートを装着した状態。

現在は学生の大半が男子ということもあり、男子目線から想定した「女性向け電動アシスト自転車」というテーマに苦心したかもしれないが、学生ならでは?の柔軟な発想や着眼点のおもしろさが感じられた。

この課題の発表後、卒業制作にとりかかるという学生たちの今後の活躍にも期待したい。
 
学校法⼈ ⽔野学園
東京サイクルデザイン専⾨学校
https://tcds.jp/

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