「タイヤが小さい」という共通点のみでカテゴライズされる「小径車」。速さを追求するロードバイク、未舗装路に特化したマウンテンバイクなどと違い、その用途はモデルによって実にさまざまです。そこで、タイプの異なる3人のライダーが実際に試乗。体格や志向の違いも、愛車選びの参考になるはずです。
KHS F-20SX
ケイ・エイチ・エス F-20SX
パールホワイトのさわやかなカラーリングでルックスもシンプルにまとめた、フォールディングシリーズのニューモデル。
クロモリフレームの車体にスラムのディスクブレーキを装着し、高速走行も安心して楽しめる制動性能を与えた。
さらにデイリーユースにうれしいスタンドやコンフォートサドルをセットすることで、街乗りでの利便性までフォローしている。
フレーム素材:クロモリ
タイヤサイズ:20v1.5
変速:1×10speed
フロント歯数:50T
リア歯数:11-32T
ホイールベース(実測値):990mm
重量:12.3kg(実測値)
価格:12万円(税別)
問:ケイ・エイチ・エス・ジャパン
http://www.khsjapan.com/
試乗したのはこちらの3人
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
身長:182cm
股下:87cm
腕の長さ:76cm
公私ともにミニベロに親しむ、神奈川県横浜市にある小径車専門店の店長。プロならではの視点で各車をチェックする。最近ハマっているものは自重トレーニングとコンビニのサラダチキン。
中:編集 トライジェットさん
身長:173cm
股下:80cm
腕の長さ:72cm
姉妹誌『自転車日和』&『MTB日和』では車体のほか、周辺アイテムのインプレッションも担当。最近ハマっているのは「カーボンプレート入りシューズ」で、ランニング用もMTB用もすでに入手済み。
小:石井 美穂さん
身長:153.5cm
股下:72cm
腕の長さ:64cm
ロードバイクからMTBまで、身長に対して大きめのモデルも乗りこなす。自転車愛あふれるレビューは女性や小柄な人も必読! 最近ハマっているのはスパイスカレー作りと、新たに迎えた7歳の中年猫。
乗車ポジションチェック
170、180cm台ではややきゅうくつに感じるコンパクトなサイズ感だが、その分、小柄な人でも無理なくスポーティな乗車姿勢がとれる。身長のある人は長めのステムに変更して快適に乗りたい。
IMPRESSION
大:グリーンサイクルステーション Say-Gさん
残念ながら私の身長ではハンドルまでの距離が近く、少し窮屈な感じでした。 長めのステムに換えたりハンドルを交換することで、よさをより引き出せると思います。
クロモリらしい優しくソ フトな乗り味はクセもなく、シティーコミューターとして十分な走り。高い制動性で雨天時にも安心のディスクブレーキを装備しています。
折りたたみもシンプルで簡単なので、旅先でのサイクリングなども快適に楽しめると思います
中:編集 トライジェット
フレーム素材にレイノルズのスチールチューブを採用した本モデル。しっとりとしたフィーリングがくすぐったくも気持ちいい、素材の持ち味を体感できる玄人好みのフォールディングバイクに仕立てられています。
唯一残念だったのはそのサイズ感で、当方の体格ではリーチがやや足りず、ハンドルをブルホーンバー等に変更する必要がありそうです。
身長が165cm以下の人にはベストな1台になるかもしれません。
小:石井美穂さん
「手の中に入るサイズ感」がうれしい! コンパクトな割に安定感があると感じるのは、優れた素材の高精度なフレームと、しっかり取られたハンドル幅のなせるワザかもしれません。
ディスクブレーキも安心感があるし、ホールド感のある厚めサドルで長時間ライドも快適そう。リア32Tは女性の脚にも優しいですね。
スタンドもついていますから、旅先でちょっと距離のある移動に使うのにも ぴったりだと思います。
文:鈴木絢子 写真:奥村純一、村瀬達矢
※『折りたたみ自転車&スモールバイクカタログ2020』(2020年3月発売)より抜粋
2021版は3月31日発売です!