ブロンプトンジャパン設立「自由」と「幸せ」を叶える折りたたみ自転車

写真左からブロンプトン社CEOのウィル・バトラー・アダムス氏、ブロンプトンジャパンのゼネラルマネージャーアレクサンドル・ジェームス氏、アジア太平洋のエリアマネージャーマーク・スメドリー氏。

『自転車日和』「折りたたみ自転車&スモールバイクシリーズ」の読者にはおなじみの折りたたみ自転車、「BROMPTON(ブロンプトン)」。ブロンプトン社の創業者であるアンドリュー・リッチー氏が開発に取り組み始めた1975年以来、プロトタイプから量産モデルまで、そのすべてが英国で生み出され続け(一時期、アジア向けに販売された台湾生産車を除く)、ミズタニ自転車が総輸入元となった2003モデルの発売以降、この日本に置いても現在に到るまで、多くのオーナーたちから愛され続けている。

そのブロンプトンだが、英国のブロンプトン社と長年に渡って総輸入元を勤めたミズタニ自転車の販売契約が9月末日を持って終了。新たに「BROMPTON JAPAN」が設立されることとなり、その説明会が東京・渋谷で開催された。

会場となったサイクルカフェ「TORQUE SPICE & HERB, TABLE & COURT」には、この発表に合わせて来日したCEOのウィル・バトラー・アダムス氏、東南アジアの最高責任者マーク・スメドリー氏、英国ブロンプトン本社の技術担当者らが勢揃い。ブロンプトンジャパンのゼネラルマネージャーを務めるアレクサンドル・ジェームス氏による紹介から説明会は始まった。

ウィル・バトラー・アダムス氏は世界の人々が環境問題に振り回されている現状、不健康な人や孤独な人が増え心を病んでしまう問題にも触れ、この自転車こそそれらの問題を解決できるツールであると熱弁。今年、累計販売数が100万台を超えたブロンプトンだが、ブロンプトン社の目的は単に自転車を販売することではなく、ブロンプトンを通して人々に「自由」と「幸せ」を届けることだと語った。

品質の良いものは長く使うことができる、と自身が15年前からブロンプトンを使用し続けていること、12年前のバッグを愛用していることをアピール。

ブロンプトンジャパンのゼネラルマネージャーを務めるアレクサンドル・ジェームス氏からは今後の日本での展開が語られた。日本ではこの20年で5万台のブロンプトンが販売されているが、ブロンプトンジャパンの方針として今後、「ブランディング」「マーケティング」「チャンネル戦略」「組織」の4つの柱を通し、ブロンプトンの認知度をさらに高めていくと共に、8年後には新たな5万台の販売を目指すという。

会場では、イギリスのファッションブランド・バブアーとのコラボレーションモデルも発表された。Cラインのエクスプロアー(M6L)をベースとした車体に、バブアー製のフロントバッグとポーチのセット販売となる。そのほか、コラボモデル専用のパーツが採用されている。


Barbour×BROMPTON
仕様:C Line Explore(6speed/Mハンドルのみ)
税込価格:35万6400円(車両・バッグ・ポーチのセット価格)
サドル:Special BROOKS C17
シートポスト:テレスコピックシートポスト
ポンプ:LEZYNE シルバーポンプ
タイヤ:SCHWALBE MARATHON ALMOTION
ディテール:マットゴールド「Barbour」デカール、マットゴールド「BROMPTON」デカール、スペシャル「Barbour」シリアルプレート、マッドガード
付属品:Barbour Luggage Wax Holdall、Barbour Luggage Zip Pouch Tartan

今回、会場に集まった日本のメディア陣が最も注目したモデル、それは日本での発売が未定とされている「T Line」だ。ブロンプトンのファンのみならず、日本の折りたたみ自転車マニアも注目するこのT Line。これまで着実な進化を遂げつつも、そのフレームマテリアル及び基本構造に大きな変化を求めなかったブロンプトン。T Lineの登場は、従来モデルの保守的な印象を根本から覆すこととなった。

質実剛健ともいえるブロンプトンのコンセプトを受け継ぎつつも、新たに超軽量のチタンフレーム&厳選されたコンポーネントが採用されたT Lineは、オールスチールフレームのC Lineの車重に対して37%の軽量化を実現。110 Kgのラグビー選手でも快適に乗りこなせる強度を兼ね備えているという。スチール製の装甲カーボンシートポスト、カーボン製のフォーク、ハンドルバー、クランクなど、軽量化に貢献するのみならず、剛性面や応答性の向上にも寄与するパーツ群が搭載されている。

気になる日本での販売開始時期についてアレクサンドル・ジェームス氏にうかがったところ、年内の可能性はないという。また、従来モデルについては取扱ディーラーをミズタニ自転車より引き継ぐことになるが、T Lineに関しては現在、オープンに向けて計画が進められているブロンプトン直営店のみでの販売となる可能性が高い。日本での販売価格は60万円前後と予想される。

従来のスチールフレームモデルよりもひと回り太いメインフレームのグレード9チタンチューブ。ヒンジおよびヒンジクランプの構想も完全新設計であることがひと目でわかる。

ヘッドチューブのボリュームも大幅にアップ。ヘッドパーツは上側がインセット、下側がアウトセットであることから、フォークにはテーパードコラムと想像できる。

平たいリアサスペンションユニットの形状も特徴(P Lineにも採用)。リアフレームに巻き付くように取り付けられている。C Lineと比べ大径化したローラーにより動きもスムーズとなった。

幅560mm、クランプ径31.8mmのハンドルほか、クランクやフォークにも軽量なカーボンパーツを随所に投入。

これまでハンドルバーステムのほぼ中央部に配されていたハンドルバーキャッチニップルはヒンジ部に近い位置へ移動。ヘッドセットとスプリング式のニップルキャッチが統合され、ヘッドチューブと段差のないすっきりとした見た目となった。

参考までに、C LineやP Lineにはこれまで同様に樹脂製のハンドルバーキャッチニップル&キャッチが採用されている。

今回、我々が初めて正式に試乗する機会を得たT Line(個人輸入された非正規モデルを除く)。試乗車はシングルスピード仕様のOne(ワン)のみだったが、7.45kgという超軽量なモデルとあって、片手で無理なく持ち上げることができた。

軽快な走行感もさることながら、折りたたみ自転車であることを忘れさせる車体の剛性感が印象的。それでいてブロンプトンオーナーであれば「間違いなくプロンプトン!」と分かる扱いやすさ。「もう少しだけ軽ければ」「もう少しだけスポーツ性が加われば」というファンの願いをすべて叶える、まさに折りたたみ自転車の理想形。

ちなみに、編集部で活躍しているブロンプトンL3は2003モデル。「良いものは長く使うことができる」を証明している。

 

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