実録リアル自転車ライフ 「鉄道+フェリー輪行で行く 大分・愛媛・広島自転車旅」vol.26

写真と文:星野哲哉

大分から愛媛を経由して広島まで走ってきた

うちのトイレには、日本地図が掲載されている某家電量販店のカレンダーが貼ってある。便座に座ると、ちょうど視界に入るのが、四国と九州のあたり。そこにある、佐田岬という細長い半島がとても気になっていた。調べると、大分とフェリーで結ばれているようだ。大分(または愛媛)に行った時、ここを絡めて自転車で走るルートができないか? そんな経緯で計画された、今回の自転車旅。岬・海沿い・フェリー(本当だったら島も)という、私の自転車で走りたいところを、全て叶えるルートになっている。

 
昨年、Jリーグの日程が発表されて、真っ先に立てた計画がある。

大分でのアウェイ戦だ。輪行で大分まで行って、その後、海を挟んで愛媛県の西の端に、細〜くある半島までフェリーで行って、松山まで走って帰る。そんな計画だ。

コロナで当初の試合日程が変更になったが、新たに組まれた日程は、大分戦の三日後に、広島でのアウェイ戦もある。松山から足を延ばして行けるルートだ。計画を立て直して、大分・広島アウェイ連戦輪行旅に行ってきた。
 
一日目(10月31日)
大分〜昭和電工ドーム

大分までは、飛行機ではなく鉄道で行った。ちょうど良い時間のフライトは、安いチケットが売り切れていたからだ。東京発朝6時台の新幹線に乗って小倉まで行き、在来線に乗り換えて大分駅に12時半頃到着。ホテルに荷物を預けて、スタジアムまで自転車で10キロ弱。大分トリニータのホームスタジアム、昭和電工ドームは山の上にあるため、坂がきついがいい運動になった。

走行距離:17.2キロ

 
二日目(11月1日)
大分~佐田岬~松山

今回乗った、フェリーの乗船券。瀬戸内海のフェリーには、料金がお得になる「サイクルーズPASS」というものもある。

今回の旅の一番の目的地。佐田岬の灯台からの眺め。向こうに見えるのは九州か? 周囲は海しか見えません。

初めてサイクリングコースを利用しても迷わないようにと、愛媛県が設置するブルーライン。

この日はまず、大分県の佐賀関と愛媛県の三崎港を結ぶ、国道九四フェリーに乗って、愛媛県へ向かう。佐賀関を朝9時発の便に乗るため、ホテルで朝食を摂ったらすぐに出発。フェリー乗り場に着くと、自動車以外はバイクが3台いるだけ。自転車はいません(笑)。

10時10分に愛媛の三崎港に到着。ちょっと早い昼食を食べて、佐田岬へ向けてこぎだす。佐田岬。まさに端っこ。しかも、灯台の一般公開日だったようで、中に入ることができた。

この後は、三崎港に戻って、そこから主に海沿いを走り、伊予市まで走る予定を立てていたが、距離にして83キロ。しかし、三崎港に戻ってきた時には、すでに14時ちょっと前。どう見ても、日没前に着くのは厳しい。さあどうする? バスに乗ろうか? など悩んだが、「きっとなんとかなる!」と思い、こぎ始めることにした。

佐田岬までの道も、十分なアップダウンで、相当体力を削られていたところに、さらに激しいアップダウンの道が待ち受けていた。走った後、この日のデータを見ると、獲得標高2900メートル。もう、無心でこぐだけだった。

そして、泣きっ面に蜂とはこのこと。雨まで降ってきた。雨の下り坂とか、怖くてたまりません。その後、雨は止んだもののだんだん日も暮れてきて、今度は海沿いの平坦路。抜いていく自動車が、スピードを出してスレスレを走っていく。左のフェンスの下は、漆黒の海。何かあったら、絶対死ぬ、と生きた心地がしなかった。

愛媛県はサイクリングに力を入れていることもあり、主だった道に、サイクリング用のブルーラインが引かれていて、ルートの終点までの距離が記されている。今回、これにどれだけ励まされたことか。1キロずつ減っていき、残りが少なくなっていくのがとてもありがたかった。

やっとのことで、伊予市の郡中港という駅に着いたら、そのまま伊予鉄のサイクルトレインに自転車を載せて、松山市駅まで。松山市に着いたら、少し自転車を走らせてホテルにチェックイン。着替えて洗濯をしたりしたら、もう20時半。とても疲れた一日だった。

走行距離:142.8キロ

 
三日目(11月2日)
松山観光~松山港~呉

今治からのフェリーに乗って、とびしま海道を走る計画を立てていたが、前日の疲労と一日中雨という天気予報のため、道後温泉や松山城など、松山観光をすることにした。温泉で疲れを取り、フェリーに乗って呉に到着。

走行距離:10.5キロ

 
四日目(11月3日)
呉~エディオンスタジアム

大和ミュージアム→フェリー→自転車って感じで、この日の試合会場、エディオンスタジアムに到着。広島の中心地から遠いうえに上り坂の先にあるため、思いのほか時間がかかった。スタジアムでは、中心地に予定されている新スタジアム建設のための募金をしていたので、期待を込めてお金を投入してきた。

この日の試合は、17時キックオフ。帰りの最終新幹線は、20時。スタジアムから駅までは、18キロ。最後まで見ていたら間に合いそうにないので、後半15分でスタジアムを後にした。おかげで、発車15分前にはホームにいることができて、無事帰ることができた。

試合結果は、2試合で興梠選手の1ゴールだけで、内容も低調なものだったが、個人的には満足な3泊4日の旅だった。

走行距離:44.8キロ

日没前の海岸沿いの道。陽が出ているうちは良い景色だが、日没後は真っ暗でただの怖い道に。

愛媛県を走る「伊予鉄」は、サイクルトレインとして、自転車をそのまま車内に持ち込めるスペースがある。

 

Profile 星野哲哉

自転車日和編集部とは別の部署で働くアラフィフ社員。寒さと年齢のせいで最近自転車に乗る機会が減ってきた。久しぶりに走ったら、1 時間で息が上がってしまった。5 月に、走行距離190km、獲得標高5000mに挑戦する予定なのに、こんな調子ではマズいということで、最近になってトレーニングを始めた。たった2ヶ月で間に合うのか? その結果は次回で報告する予定です。

『自転車日和』vol.58より抜粋

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