実録リアル自転車ライフ「北海道ツーリング」vol.13

写真と文:星野哲哉

今回行ってきたのはココ!!

夏休みを利用して4泊5日の北海道ツーリングに行ってきました!

北海道へは女満別空港から入り、バスと列車で知床斜里駅まで行きウトロまで約40㎞走る。2日目は知床峠を越えて海沿いを走り尾岱沼まで約110㎞。3日目は雨のため、約50㎞先の厚床駅から 輪行で釧路まで。4日目は特急で札幌へ行ってサッカー観戦。札幌で1泊して帰るという、4泊5日の行程でした。

夏休みに北海道を自転車で
旅のスタートは計画から

今回北海道へ行こうと思ったのも、自転車以外のもうひとつの趣味、サッカー観戦にからめてだ。

サッカーファンあるあるのひとつに、新シーズンの日程が発表されたら、アウェイ(遠征)の予定を立てるというものがある。

どうせ行くなら、観光もしたい。今年の目玉は、久しぶりにJ1リーグに昇格した札幌だ。

こことの試合がいつになるかに、注目が集まる。私が応援する浦和レッズとの試合は、7月の終わりに決まった。観光には絶好の季節だ。

早くも、この日に札幌に行くことが決まった。残るは、いつ行っていつ帰るかだ。

釧路周辺出身の知人に、北海道のおすすめを聞いてみた。間髪を入れずに、「道東だね!」との答えが返ってきた。

今まで札幌を中心とした地域しか行ったことがなかったので、道東と聞いて、目の前に知床・釧路などの雄大な自然が広がった。

移動手段は当然、自転車だ。地図を広げ、道をたどり距離を測る。行きたいところと無理なく一日で走れる距離を照らし合わせて、計画を立てていく。

この段階からワクワクしてくる。最終的に、道東で3泊してから札幌へ行き、サッカーを見て札幌で1泊して帰るという、合計4泊5日の旅に決まった。

それから航空券を取ったり、宿を予約したりして、早くもこの日が待ち遠しくてたまらなかった

羽田―女満別―網走―知床斜里―ウトロ

初めての飛行機輪行から 一気に世界遺産知床まで

斜里から国道334号線の直線道路をウトロ 方面へ進み、途中の坂道を登りきったところで後ろを振り向くと、まるで空にのぼっていくかのように果てしなく続く道。通称「天に続く道」が見える。長い直線道路があるからこそなせる業で、“これぞ北海道”という景色だった。

北海道へは、基本的に飛行機で行かなければならない。ということは、飛行機に自転車を載せる必要がある。電車輪行は何度も経験しているが、飛行機輪行は初めてだ。

ハードケースじゃないといけないイメージがあったが、ネットで飛行機輪行の経験談を検索してみると、国内線なら普通の輪行袋でも問題なさそうだった。

普通の輪行袋に収納して飛行機輪行。一応、リアディレイラーとペダルは外し、フレームやハンドルに緩衝材をくるんだが、 職員の方も丁寧に扱ってくれ、国内線においては飛行機輪行のハードルは低いと思われる。

さすがに普段使っている薄い袋では心配だったので、昔買った厚手の輪行袋を使うことにした。

これといった煩わしい手続きも無く、手荷物カウンターに預けることができた。あとは飛行機が到着するまで手ぶらだ。

乗っている間も、同乗者などに気を遣わないといけない電車輪行より、もしかしたら楽なのかもしれない。

網走駅から知床斜里駅までは列車輪行。1両編成の列車に中国人団体客が押し寄せてきたのにはビックリした。自転車を持って降りられるか心配したが、途中の原生花園駅で降りていったので、ホッとした。

女満別空港からバスと列車を乗り継ぎ、知床斜里駅に着いたら自転車旅のスタート。

自転車旅のスタートは、釧網本線の知床斜里駅。知床の玄関口で、列車に乗ってきた人のほとんどが、迎えに来たバスなどに乗っていった。自転車を組み立てている間に、駅の周りには誰もいなくなってしまった。

斜里から国道334号線の直線道路をウトロ方面へ進み、途中の坂道を登りきったところ で後ろを振り向くと、まるで空にのぼっていく かのように果てしなく続く道。通称「天に続く道」が見える。長い直線道路があるからこそなせる業で、“これぞ北海道”という景色だった。

「天に続く道」を通り約40㎞の走行で、この日の目的地ウトロに到着。

遊覧船で知床観光をし、海に沈む夕陽を眺め、すでに北海道を満喫。

北海道サイクリングレポート その1

網走といえば……

やっぱり刑務所ですよね? 実際に 刑務所として使われていた建物をそのまま博物館として公開している「博物館網走監獄」もあるが、今回そちらには行けなかったので、駅にあった簡易的な牢屋の写真をパチリ

世界遺産 知床

小型船でオホーツク海に出て、陸路では見ることのできない、知床半島 の断崖絶壁や海に落ちる滝などを堪能。あまりの絶景にただただ感動してしまった。普段は見られない場所で、ヒグマを見ることもできた。

夕陽台展望台

オホーツク海に沈む夕陽が見られる名 所。近隣のホテルに泊まっている人でごった返していた。この日は雲ひとつない天気だったので、海面に朱色の筋を作り水平線に沈むまでの一部始終を見ることができた。

2日目 ウトロ—羅臼—標津—尾岱沼

知床半島を横断した後は 北方領土について考える

ひとり旅の弱点は、自分が入った写真をあまり撮れないところ。そこで今回は、100均で 売っているスマホスタンドを持参して、これにカメラを立てて自撮りをしてみることにした。それで撮ったのがこの写真。意外とよく撮れていると思いませんか?

翌朝、前日の夕食で一緒だった同宿の方からの、「がんばって!」という声とともに出発。

まずは知床峠を攻める。初めての坂道は、どこまで続くかわからない分だけ登るのがツラい。

標高700mほどの知床峠を、1時間半ぐらいかけて登った。なかなかきつい坂だったけど、森林限界からの羅臼岳やハイマツの樹海の絶景を見たら疲れも吹っ飛ぶ。一見の価値ありです!

しかも自転車はおろか、車もバイクもあまり通らないという孤独感が、ツラさを倍増させる。

しかし登りが終わらない山はない。頂上が近づくと、森林限界を越え高い木がなくなった絶景が待っていた。
 
峠を越えて下った先は羅臼の町。この地名を初めて耳にしたのは、ドラマ「北の国から」だった。

とんでもなく北の果てのように見えた土地に、今こうして自転車で来ているのが不思議な感じがする。

海の向こうには国後島が見える。近くて遠い島。左手に見ながら、海沿いの道を走る。

この日は天気が良かったせいか、海の向こうに国後島がくっきりと見えた。正直、あまり身近じゃなかった北方領土だが、知床半島から、20㎞ぐらいしか離れていないらしい。北方領土問題、なんとかならないもんですかね?

標津を過ぎ別海町の尾岱沼に到着。約110㎞の走行。宿泊するキャンプ場で、テントや寝袋を借りる。

この日の宿泊地は、尾岱沼ふれあいキャンプ場というところ。テントや寝袋を借りて1300円で利用可能。たまにはこういうのも、自転車旅行って感じがしていいですね。

キャンプ場の近くにある、 野付温泉浜乃湯。ここでこの日の汗を流して、疲れを癒すことにする。約400円で利用できる公衆浴場ということで、自分 の他は近所に住んでいると思われる親子が入りに来ていた。

近くの温泉に入った後は、明かりも音もない非日常的な空間で、この日は眠りについた。

北海道サイクリングレポート その2

キタキツネに遭遇

知床峠を走っていると、前方に止ま っているクルマが。何かあったのかな?と思ったら、キタキツネが歩いていた。遭遇率が高いそうだが、こんなに身近にいるもんなんですね。

羅臼温泉 熊の湯

知床峠から羅臼に下りる途中にある 露天風呂。道路から橋を渡った先の 森の中にある秘湯だ。女性用は仕切 りがあるようだが、男性用には仕切り がないため、開放感があり眺めが良い。

純の番屋

「北の国から2002遺言」で純が住ん でいた番屋を再現した建物。目の前 の浜で取れた海鮮料理を食べること ができる。ここで昼食をとることにして、 いくら・ウニ・カニがのった三色丼を頼んだ。

尾岱沼—厚床—釧路—札幌

雨で予定変更になったけど 代わりに観光を楽しむ

大きく蛇行しながら流れる釧路川沿 いを走るノロッコ号に乗りながら、釧路湿原を見物。車内放送で湿原の解説をしてくれたり、見どころで列車を減速してくれたりと、至れり尽くせり。予定外の観光ができました。

3日目。この日の天気予報は雨。当初の計画では、霧多布湿原を通り厚岸まで走って釧路まで輪行、というものだったが、予定変更。

北海道でコンビニと言えば、「セイコー マート」。キャンプ場の近くにもあった ので、朝食はここで買ったおにぎりです。

約50㎞先の厚床駅で列車に乗ることにした。雨が降り始めるのは8時ごろらしい。

6時に出発して、ギリギリ駅にたどりつけそうだ。

天気予報はよく当たる。あと数キロで厚床駅、というところで雨に降られた。

8時頃から雨が強くなるという予報だったので、キャンプ場を6時に出発し根室本線の厚床駅を目指した。予報通り、もうすぐ駅というところで雨足が強くなり、びしょ濡れにならないうちになんとか到着。

駅には、自転車の先客がいた。日本一周の途中で、この日は根室の方から走ってきて、雨にやられたので雨宿りしているとのことだった。
 
自転車を袋に入れて、列車で釧路へ向かう。

予定よりあまりにも早く釧路に着いてしまったので、釧路湿原や釧路の街を観光することにする。

今までいたところに比べ、釧路の街は都会に見えた。
 
翌朝、特急列車に乗って、もっと大都会の札幌へ行く。

札幌ドームでサッカー観戦。その後はクラーク博士を見て、 豊平川を自転車で走り、夜はひとりでジンギスカン。翌 朝バスで空港まで行って、昼過ぎに羽田に帰ってきました。

当初の目的だったはずのサッカー観戦が、おまけみたいになってしまった。

今度はもっと長い間、北海道の大地を走ってみたくなった。

北海道サイクリングレポート その3

北方領土

今回走っていて、至る所で北方領土 返還を願う建造物を目にした。国後 島は知床半島と根室半島に囲まれた 海に位置していて、海岸からとても大 きく見える。今回この地を走って、北 方領土を身近に感じることができた。

鉄道廃線跡

中標津から厚床駅へつながる標津線 にあった、奥行臼駅の跡地。平成 元年に標津線が廃線となったときに廃駅となった。利用者が少ないから 仕方がないのかもしれないが、あったものがなくなっていくのは寂しい。

鉄道廃線跡

中標津から厚床駅へつながる標津線 にあった、奥行臼駅の跡地。平成元年に標津線が廃線となったときに廃駅となった。利用者が少ないから 仕方がないのかもしれないが、あったものがなくなっていくのは寂しい。

 

Profile 星野哲哉

社内の別の編集部で、WEB媒体の仕事をしている。 雑誌のような締め切りはない代わりに、毎日が締め 切りのような生活だ。今回の旅にあわせて、今は やりのシートバッグを購入。着替えは持たず現地で 洗濯をすることにし、極力荷物を減らしてコンパクトに収納。あとはいざという時のためのバックパックだ けで、4泊5日でも事足りました。

 
『自転車日和』vol.45より抜粋

- 連載, ロードバイク