『自転車日和』的STAFF REPORT「Pacific CARRYME」

弊誌スタッフのやってみたこと、試したことの実録自転車レポート。ゆるい空気を大切にする『自転車日和』ならではの、バラエティに富んだトピックでお届けします。お茶のおともにでもしていただければ幸いでございます。

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Pacific CARRYME

ひとりで走っている分にはまったく気にならないキャリーミーの巡航速度。8インチの極小径タイヤを履いたモデルなので、リスク回避のためにもちょいゆっくりめくらいが◎。ただし、他車種と一緒に走るとなると少しだけスピードアップを……。

他車種と一緒に走るなら
あると助かる高速巡航ギア

ダホンのダヴプラスを購入して以来、誌面上の登板回数がやや少なめだったコチラのキャリーミー。それはなぜか? 

自転車にはそれぞれ走っていて気持ちのいい速度域がありますが、キャリーミーのそれはポタリングに最適なローレンジ。自転車散歩するときの楽しさは唯一無二、決してダヴプラスに劣るとかそういった問題ではないのです。

しかし、取材時の移動ツールとして登用、他車種と一緒に走るとなると話は別。相手がバーディーであれブロンプトンであれ、キャリーミーのノーマルギアでは完全に足がまわり切ってしまいます。取材対象者との距離が開き、ズルズルとちぎれていくのです(涙)。

そんな当方所有のキャリーミーに転機が訪れたのは9月頭。数ヶ月前に発注していた秘密兵器が届いたのです。

2007から2013モデルまで日本でも車種展開されていた2段変速仕様のキャリーミーDS。現在もキャリーミーのお膝元、台湾ではラインアップされている由緒正しきモデルです。

当方のキャリーミーは2015モデルですが変速部分のパーツさえ手に入れば同仕様へのカスタムは可能であるはず。

「なにかしら理由があって日本での取り扱いがないのだから」と期待していませんでしたが、ダメ元かつ興味本位でパシフィックサイクルズジャパンに問い合わせしてみたところ「スピードドライブですか? 必要なら本国からとれますけど」との回答。

「では、ひとつ購入したいのでよろしくお願いします」という流れで割とあっさり、キャリーミーSD→DS化計画が実現されることになりました。

キャリーミー純正スピードドライブキット

こちらが本国のキャリーミーDSに搭載されているATS社製のスピードドライブ。キットには、本体の取り付けツール(赤いグリップの工具)、グリスアップツール(注射器っぽいやつ)ほか、装着やメンテナンスに必要なアイテムがひと通りそろっています。

写真には写っていませんが、スイッチ固定用の1mmアーレンキー、取り外し時にも一般的なスクエアBB用クランク抜きが使える専用のアダプターも同梱されているので、その気になれば自分でも取り付け可能? 日本語のマニュアルは付属しません。

価格:3万1800円(税別)
スピードドライブ本体、専用カバーつきクランク、取り付けツール、グリスアップツールほか

問:パシフィックサイクルズジャパン
https://pacific-cycles-japan.com/

 
こんなモデルも販売されていました

かつては日本でも完成車として展開されていたキャリーミーDS。

写真は2009年モデルで現行よりもホイールベースが短かった通称〈Bフレーム〉仕様。

 

キャリーミー(2014モデル以降)のBBシェルには、スピードドライ ブの装着を前提とした面出し加工が施されているため、新たに切削作業等をおこなうことなく、容易にスピードドライブを取り付けできま す。

写真をよく見るとスピードドライブ本体と嵌合するよう、すり鉢状にカットされているのがわかるはず。

 
組み上げ完了!

クランク全体をカバーで覆っているため、外観では変速用のスイッチがどこにあるのかわかりません。ちなみにチェーンリングはノーマルのアイテムをそのまま流用しています。

クランクのカバー越しにかかとでスピードドライブのスイッチを押し込んで変速操作をおこないます。

左足で押し込むと低速側(直結)に、右足で押し込むと高速側に内装ギアが切り替わる仕組み。

切り換え時は「カチン」という音&感触があるので、変速ミスは絶対にありません。
 

参考データ
スピードドライブ本体+クランク 1454g
ノーマルBB+クランク 748g
重量増加分 706g
※数値はすべて編集部実測によるもの

 

IMPRESSION

キャリミー純正のスピードドライブを装着した場合、高速側の減速比はノーマルから1.66倍になる計算です。

ロードバイクで例えるのなら、リアカセットの28Tから17Tへチェーンを掛け替えたことになるわけですが……しかしキャリーミーで実走してみると、一気に11Tのトップまで上げたかのようなズシリとした負荷が大腿四等筋を襲います(これぞDS!)。

700Cではひと踏みめが重くても、ふた踏みめ以降は車輪の慣性に助けられ、楽に足がまわせるようになりますが、8インチホイールのキャリーミーですからね。ずーっと重いまま。

しかし目的通り、巡航速度は確実かつ飛躍的にアップしました。おかげさまで、これまで超ハイケイデンスでまわしても不可能だった他車種(ブロンプトンなど)との移動を無事、こなせるようになりました。

というわけで、個人的には巡航時のギアとしてとても重宝しているのですが、か弱い女性の足にはハードモード確定でしょう。

定期的なメンテナンスも必要ですし、万人向けのカスタムではない、ということだけはお伝えしておきます。

 

編集 トライジェット

「新しい自転車に乗り換えたい」vs「大切な愛車に乗り続けたい」というサイクリスト定番の自己矛盾。そんなときは愛車を部分的にアップグレード。 まじオススメです。

『自転車日和』vol.57より抜粋

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