実録リアル自転車ライフ「かきしま海道」vol.4

写真と文:星野哲哉

今回行ってきたのはココ! !

他の趣味と組み合わせて楽しむ!

1日目は広島県呉駅から倉橋島→能美島→江田島と瀬戸内の島を渡る、かきしま海道と呼ばれるコース。呉から倉橋島へは渡し船を使うが、倉橋島と能美島は端でつながっている。(能美島と倉橋島は陸続き)。コース上にはブルーラインが引かれ、初めてでも迷わず走れてありがたい。

2日はホテルからエディオンスタジアムへ、標高217mの己斐峠を超えるルート。帰りは峠を避けてアストラムラインと並行する国道54号線を通って広島駅まで行った。

 
小学生の頃から毎週秋葉原まで45㎞の道のりをママチャリで行っていたのは、弱虫ペダルの主人公・小野田坂道くんである。好きなアニメグッズを買うために、自転車で通っていた。

趣味のための目的地に自転車で向かう。そんな人も多いのではないだろうか。

小野田くんが自転車を使った理由は電車賃の節約だったが、それ以外にも自転車を利用する利点は多い。

ちなみに私の趣味はサッカー観戦(浦和レッズサポーターである )なのだが、サッカー場がある場所は、街の中心部から離れていることが多い。

そのため、最寄り駅からシャトルバスを使わないと行けなかったり、歩いて行けても20分以上かかったり、アクセスがあまり良くなかったりするところもある。

そんな場所への行き帰りでは、乗車待ちの長蛇の列や渋滞など、余計なストレスをかかえることもしばしば。

これが自転車だったら、そういうストレスとも無縁なのである。時刻表など気にせずに自分のペースで出発すれば良いし、道が混んでいたら別のルートにすることだって可能だ。

これは何もサッカーに限ったことではなく、ライブなどの催し物や通勤通学でも同様だと思う。

そんなわけで私も、毎週ではないが隔週くらいで、自転車でサッカー観戦に出かけている。

場所は埼玉スタジアム。家からおよそ20km、1時間くらいの道のりだ。

電車で行くのと同じくらい、または若干早く行くことができて、電車賃も節約できる。いい事ずくめである。

ここまでの話は、ホームゲームといって地元で開催される試合のときの話。

サッカーのリーグ戦にはアウェイゲーム—つまり、相手のホームスタジアムで開催される試合もあり、私もそこに行くことがある。もちろん自転車でだ。

この場合ホームゲームと違って、観光という側面も加わってくる。

公共交通機関では行きにくい場所にも簡単に行けるのが自転車の醍醐味だ。

コースに峠や海岸沿いの道を入れるとより楽しめる。
 

サッカー観戦とサイクリング
本来の目的はどっち?

3月に開幕したJリーグ。今年も早速アウェイゲームに行ってきた。

新幹線で輪行して、向かうは広島。サンフレッチェ広島との試合だ。
 

サンフレッチェ広島の本拠地、エディオンスタジアム。広島市安佐南区の広島広域公園内にある。この日は2万6000人の観客を集めた。

試合は日曜の昼だったため、土曜の始発で広島へ向かい、倉橋島・能美島・江田島といった瀬戸内の島々を走ろうという計画を立てた。

行きも帰りも新幹線で輪行。東海道新幹線は車両最後部のスペースが広いので、自転車を置きやすくて便利だ。

かきしま海道の終点・切串港まで来たら、フェリーに乗って広島へ。江田島の切串港と広島の宇品港を、約30分で結ぶ。

音戸大橋は自転車で渡るのは危険なため、渡し船で渡る。決められた出発時間があるわけではなく、お客がきたら船を出してくれる仕組みだ。

こうなると気になるのは当日の天候。一週間前から、毎日のように天気予報をチェックしていた。

その甲斐あってか、絶好のサイクリング日和に恵まれた。

今回走ったコースは、かきしま海道と呼ばれるところ。名前の由来は、牡蠣。そう、ここは牡蠣の名産地なのだ。

牡蠣を養殖するための牡蠣筏(かきいかだ)。海岸沿いを走っていると、いたるところに見ることができた。

そうとなったら当然牡蠣を食べないわけにはいかない……のだが、走っても走っても、牡蠣を食べられそうなところが見つからない。

直売所はあるものの、食堂が見当たらない。もう適当なコンビニで食事を済ませようかと諦めかけていた時に、のぼりを発見!

「かきメニューあります」

カキフライをいただいた「夢来来(ゆめきらい)」。宮島と夕日の絶景ポイントだ。観光客や島外からの移住者の交流の場になっているらしい。

やっと見つかった!呉駅から走ること40km。キツめの坂を登った先に。さっそくカキフライをいただいたところ、コレがもう、身が厚くてジューシー。

近所のお惣菜屋で売っているカキフライとはぜんぜん違う(当たり前か)。大満足だった。

そして、本来の目的であるサッカーを観るために、スタジアムまで走る。ほんの10㎞程度の距離だが、途中峠を越えなければならない。

傾斜のきついつづら折りがあるのに、なぜだかテンションが上がる。

どんなに小さな峠でも、登りきると達成感があるから不思議だ。

ちなみにサッカーの試合結果は、0-0の引き分け。両者ともに、牽制しすぎたせいか見どころの少ない内容だった。

普通だったら、「せっかく広島まで来たのにっ」とがっかりするところだが、「あちこち自転車で走れて楽しかったから、まあいいか」という感想になるのも、自転車で行く利点かもしれない(笑)。

 

Profile 星野哲哉

ロードバイク暦5年のアラフォー編集部員。ヒルクライムレースやロングライドイベントに精力的に参加しており、この原稿の締め切り直後に、今年最初のレースに出場予定。冬の間ローラー台に乗っていたので、良い結果が出ることを密かに期待している。自転車以外の趣味はサッカー観戦で、好きなチームは浦和レッズ。

 
『自転車日和』vol.36より抜粋

- 連載, ロードバイク

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