実録リアル自転車ライフ「自撮り」vol.23

写真と文:星野哲哉

ソロライドでもできる
自撮りのススメ

ロードバイクに乗るようになって10年以上経っても、いまだ自転車仲間がおらず走る時はいつもボッチなホシノです。

コロナウイルス感染問題が発生し、人との接触を極力避けるために、自転車も集団走行はヤメましょうという声がありますが、普段からひとりで走っている私には関係ありません。

免疫力を下げないために、適度に自転車に乗るように心がけております。逆に、激しいライドは免疫力を下げるので、ほどほどに。
 
独りでのライド。良い面は、他人に合わせる必要がないという気楽さ。好きな時に好きな場所へ行き、好きな時に好きな場所で休める。

悪い面は、少し寂しいことと、「風景と自転車」という写真ばかりになりがちなところ。たまには、自分が入っている写真も撮ってみたくなるのだ。
 
ひとりで自分が入っている写真を撮る――いわゆる自撮りに必要なものといえば、“自撮り棒”がまず浮かぶ。しかしこの場合、手で持って撮影しなければならないので、写せる範囲が限られてくる。

どうせ写真を撮るなら、「自分が走っている写真」を撮りたい。それにはどこか離れたところに固定する必要があるので、そうなってくると三脚がふさわしい。

しかも自転車で移動しやすいコンパクトなもの。そんな条件で探していたところ、ゴリラポッドなるものを見つけた。

自由に脚を曲げられるようになっているので、ガードレールなどにくくりつけて使用できる。サイズは、ジャージの背中ポケットに入る、手ごろな大きさを選んだ。これを使えば、走っているところの写真が撮れそうだ。
 
というわけで、早速自撮りサイクリングに出かけてみた。撮影に使うのはiPhone。走るのは荒川サイクリングコース。赤羽の岩渕水門と桜をバックに、手始めに撮ってみようとセットしてみた。

三脚とスマホホルダーをつなげてホルダーにiPhoneを固定する。そして手すりに三脚を取り付けて、カメラの向きを調整し、シャッターのタイマーを10秒にセット。 シャッターボタンを押して、自転車にまたがって走り出す。

自撮りの流れ

(1)スマホを固定する。

(2)タイマーをセットする。

(3)走り出す

走っている姿を自分ひとりで撮影する、自撮りに挑戦。流れは 上記の通り。まずはスマホを設置する場所を探さなければならない。しっかりと固定できていないと、倒れたりしてスマホが壊れることもあるので慎重に。次にシャッタータイマーを設定。iPhoneは、最長で10秒まで設定できる。最後に、シャッターボタンを押して自転車で走り出す。こうして文字にすると簡単なようだが、実際は10分ぐらいは費やしたかと思う。

その間頭の中で10秒を数えて、ちょうど 撮影ポイントに行くように調節する。「うまく撮れたかな?」とカメラのところへ戻り、写真をチェックするとビックリ!女性の顔のドアップが!

ちょうどシャッターが押されるタイミングで、通りかかったのだ。で、肝心の自分は、その女性の陰になって全く写ってない。自撮りチャレンジ第1回は、大失敗に終わったのだった。

走っている姿を撮ろうとしたのに、ちょうどシャッターが押されるタイミングで、カメラの前を女性が通りかかってパシャリ! 撮る時は、周りに人がいないことを確認してからやりましょう。

ゆるゆると走って、次の撮影ポイントへ。三脚を固定できそうなところを見つけ、カメラをセット。今度は周りに人がいないことを確認して、シャッターボタンを押して自転車を走らせる。

桜をバックに、まあまあな写真が撮れたのはないかな。その後も何枚か撮ってみたわけだけど、わかったことは、「10秒のシャッタータイマーは短い」ということ。

カメラをセットした場所から走って、後ろ姿を撮影するならまだ余裕があるけど、正面の写真を撮ろうと思うと、一度向きを変えて走り出さないといけないのでほとんど時間がなくなってしまう。
 
解決方法のひとつは、動画で撮影すること。動画ならずうっと回しておけるので、あとで再生して好きなシーンのキャプチャーを取れば良い。


比較的撮影しやすい後ろ姿に対し、前向きの姿の撮影は、カメラの場所から少し離れて走り出す分だけ、時間がかかるので難しい。写真のようにUターンにてこずっている間にシャッターが押されることも。


それを解決するために、動画で撮影してキャプチャーを取ったのがこの写真。これなら前向きの写真も撮れる。

もうひとつは、シャッターリモコンの使用。走り出して好きなタイミングでシャッターを切ることができる。まだ試していないけど、これも使えそうだ。

カメラをセットする場所を変えることで、様々な角度からの写真が撮れる。写真は、カメラを地面スレスレにセットして撮影したもの。

今はこんな情勢なので近場でのライドだったが、情勢が良くなったら遠出して、海とか峠とか、絶景スポットで撮影してみたくなった。自由にあちこちを走り回れる日が戻ってくることを願って。

荒サイといえば…榎本牧場

荒川サイクリングコースを走っている方なら、一度は行ったことがあるだろう定番スポット。今回も途中で立ち寄ってジェラートをいただいたが、時期が時期だけに長居をするのはためらわれる。、

 

Profile 星野哲哉

同じ社の別の編集部で働くアラフィフ社員。コロナ騒動の影響で、エントリーしていた3月4日のマラソン大会につづき、5月の佐渡ロングライドも中止になってしまった。夏には収束してほしいものだがどうなることやら。

『自転車日和』vol.55より抜粋

- 連載, ロードバイク