経年劣化と戦うスポーツおやぢの「朝サイ」記 その9

後悔先に立たず……

一番お伝えしたかった朝サイの話題、桜の季節もあっという間に終わってしまった。私の住むさいたま市には桜区というネタにするには十分すぎるほどの桜の名所が沢山あるにも関わらず、自分が楽しむことが優先されて、その素晴らしい光景を皆さんと共有することが出来なかったのが残念で後悔しきり……。

上野公園や目黒川周辺のような、恐ろしい混雑ぶりとはまったく無縁の世界が、都心からほど近い距離にあることはあまり知られていない。花見の人よりも、ヘラブナ釣りの太公望の人数の方が多いのだ(次の写真参照)。荒川サイクリングロード周辺では、桜が終われば藤の花や桐の花の紫、色とりどりのポピーが僕らを楽しませてくれる。

<咲く前にお知らせすべき景色>

すみません!

<5月中旬から楽しめる景色>

荒川CR鴻巣馬室付近

<雉と桜>

花だけでなく、動物達も良く見かけるようになる。キツネ、タヌキ、イタチを見ようと思ったら、薄暗い夜明け前から出発して、しかも運がよくないと見つけるのは難しい。一方、今の時期の雉の雄は、嫁さん探しと縄張りの確保で活発に活動しているので、見つけやすい。

以前、荒川周辺のサイクリングガイドをしていたときに雉がいることを教えてあげたら、
「あの雉は、誰が飼育しているのですか?」
との質問があり、ボクはおおいに驚き、
「野性の雉ですよ!」
と説明したら、質問の主は大変驚きながら……
「動物園以外で、雉を見たのは初めてです。東京からこんな近いところに野性の雉がいるんですね!」
と言われ、ボクも再び驚かされた記憶がある……。

“翔んで埼玉”的に言えば、関所のむこうの方のセリフですね(笑)。

最近撮影した雉の動画

縄張りを主張する金属質の「ケンケン」という鳴き声が聞こえたら、必ずその方向に雉はいる。縄張り争いをする雉の戦いを見ることが出来たら、それはチョーラッキーだ。相撲の仕切のように、最初は見合って間合いをつめ、同時に飛び上がって戦うさまは、遠くから見ていてもかなりの迫力だ。

ちなみに雉の一夫多妻を良く見かける。奥様達はすぐに逃げるが、そんな時の旦那はなかなか逃げない。妻達に対して己の強さを見せつけているような行動をとる。本当は逃げ出したいくせに、我慢しているのがミエミエなのが愉快だ。

そろそろ、荒川サイクリングロード周辺の田んぼにも水が入り始めた。この季節、空気が澄んだ朝には、こんな景色も見える。 素晴らしいぞ “翔んで埼玉” (笑)。

あ、実は富士山迄の直線距離は東京都心からよりも、さいたま市桜区からのほうが近いんです。知ってました?

Profile 神田秀仁

還暦を数年前に過ぎた、スポーツおやぢ。
若い頃はオートバイに狂っていたが、自転車業界(Tommasini,Casati,Calamita)に関わり始めた30年以上前にMTBに乗り始め、20年ほど前からロードバイクに乗り始める。中年以降は、メタボ(脂質異常症)、脊柱管狭窄症、腰椎ヘルニア、アレルギー性喘息等を経験しながら、ダイエットにいそしむ。軽いノリでロードバイク、ラン、スイムを始め、2002年にトライアスロンに挑戦したが、溺れかけ、スイムがトラウマに。その後数年はデュアスロンとなり、奥武蔵を中心にサイクリングを楽しむように。気付けば80kg以上あった体重は、70kg前後に。トライアスロンも復活(宮古島・佐渡・Ironamnを経験)。

- 連載, ロードバイク